南スマトラの食べ物


<パダン料理の食堂>
 一般的に現地人が食しているのは、「パダン料理」と呼ばれるものである。これは、予め作り置きしておいたフライドチキン、揚げ魚、焼き魚、煮込んだ牛肉などをボールに入れて店先に陳列しておき、客が来ると全品を小皿に分けてテーブルの上に並べるという、いわゆる注文レスのファーストフードである。中には特殊なメニュー(裏メニューとか)もあり、注文すると作って来てくれるが、基本的に店では注文しない。
 我々客は、テーブルの上に並んだ10品以上の小皿から、好きなものを取ってご飯の上にのっけて食べる。会計は、手をつけた小皿の分のみがカウントされ代金を支払うというシステム。
 だいたいどこの店に行っても、前述の「チキン」「焼き魚」「煮込んだ牛肉」の3本柱がメインとなっており、中にはエビやイカといったシーフードを出すところもある。たいていはどれも唐辛子で真っ赤っかの色をしており、辛いものが苦手の人はどれも食えずヒサンな目にあう。また、基本的に作り置きのため、どれも冷えておりイマイチである。(中には注文すれば温めてきたり、新たに調理してくれる店もある)
 あと、特徴的なのは、この10皿近い料理を、1度に片腕に乗せて運んでくるという風習がある。ワゴン等を使って運んでくるような店は邪道である。
 よくこんな同じものばかり食って生きてゆけるなぁと感心するばかりである。
 なお、インドネシア料理の代表格である「ナシゴレン」などは、この地では一般的な食べ物とはなっていない。



Belitang(ブリタン)地区の食堂にて。地域柄か魚料理がメインだ。


Martapura(マルタプラ)の食堂。1度に10皿を左腕に乗せている。


こちらはジャカルタのパダン料理店。右手に3皿、左手に8皿持っている。うーん、正統派だ。



<ホテルの朝食>
 ホテルでは、たいてい「ナシゴレン(焼き飯)」や「ミーゴレン(焼きそば)」が朝食の定番となっている。中にはバイキング形式のところもある。無難な味であるが、取り立てて「美味しい」という感じはしない。


パレンバン市内の安宿での朝食。ナシゴレンだ。


<ファーストフード>
 ど田舎の南スマトラ地方であるが、「市」クラスの街になると、ケンタッキーやマクドナルドといった世界共通のファーストフードが存在する。しかし、メニューまでは世界共通とはなれなかったみたいである。



LubukLinggau(ルブックリンガウ)市のケンタッキーにあったヤキニクプレート。
刻んだフライドチキンにテリヤキソースがかけてある。どこがヤキニク?


BandarLampung(バンダルランプン)市のTanjungKarang(タンジュンカラン)地区にあるマクドナルド。
定番メニューは、卵焼き・フライドチキン・ご飯&スープのコンボ↑。
あれ、どれも日本のマックのメニューには無いような・・・
マックに来たのならハンバーガーを食べなさい!!


<中華料理>
 インドネシア料理が馴染めない人には救世主なのがこの中華料理。とはいってもインドネシア風にアレンジされているが。パダン料理だけでは野菜が不足するので、炒め物の豊富な中華料理をたまに食べるとちょうどいい。麺類は焼きソバがメインで、ラーメンはほとんど無い。また、宗教柄か豚肉は出てこない。
 メニューは豊富であるが値段が高いため、中華系の金持ちか、中流階級以上の人しか利用しない。


中華料理店。チャーハンや焼きそば、野菜炒め、スープなどメニューは豊富。


<屋台・安飯屋>
 田舎に行くと食堂すらろくになく、こういった安飯を食う羽目になる。中には美味しい店もあるが。

1.バッソー(Bakso)
 バッソーとはインドネシアでは屋台(Warung:ワルン)で良く売られている肉団子スープ。スープに麺を追加して、軽食とするのが通常である。中には写真のように巨大バッソーを目玉にしている店もある。


Baturaja(バトゥラジャ)の巨大バッソー店。こぶし大の肉団子。


2.ワルン・シーフード(Warung Seafood)
 最近田舎町ではやっているのが、テント小屋を仕立てたシーフード屋台。無難な鶏メニューもある。テント小屋なので、突然豪雨になるとヒサンである。


Baturaja(バトゥラジャ)のシーフード屋。屋根も壁もテントである。


3.超安飯屋
 ド田舎の村などに1軒はある飯屋。スカスカの揚げ魚や揚げ鶏などと、簡単な野菜(草?)、白(灰色?)米くらいしか無い。ご飯も尽きるとインスタント麺しかない。こんなもんばっかり食っていると体を壊します。


今日のメニューは具なしかき揚げ:中央と、唐辛子スープに浸した野菜(草?):右
ご飯は無くなってしまい、隣の家におすそ分けをもらいに行った模様。
左の箱の中にあるパンを食べるのが一番無難である。


この日は食材が尽きたようで、インスタントラーメン&そこら辺で拾ってきた卵。
そのうち死にます。



安飯屋の厨房。木炭の窯です。電気もガスもあるわけがありません。
調理器具&食器をちゃんと洗っている保証はありません。



店の外観です。そこら辺で拾ってきたような木材で組んであります。
震度3or風速10mでぶっ飛びそうな建物。


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