キハ27 3



1961年3月23日東急車両製の1-1次車で、昭和35年度民有債で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット3〜6全車が苗穂へ配置された。同グループはキハ58系で最も初期に投入されている。苗穂ではまず前年よりキハ55系で運行されていた急行「すずらん」の置き換えとして使用されたが、以降は道内各地へ急行が新設・増発されこれらに使用された。「47-3改正」では道内特急の増発により急行の受け持ち変更が行われ、当車は函館へ転属した。函館では急行「宗谷」「すずらん」で使用されたが、「48-10改正」では需給の関係で1973年10月5日付で苗穂へ転属している。苗穂では道内各地の急行で活躍したが、国鉄末期の「55-10改正」以降は特急の増発やローカル急行の廃止により急行は順次削減され、キハ27は次第に函館本線や札沼線の普通列車にも使用されるようになっていた。しかしローカル線の廃止によりキハ40系がこれらに充足され、更に残存していた急行も廃止されると余剰となり、1986年3月31日付で廃車となった。

前面は1-1次車であり他と相違点が多く特徴的である、前面補強は施工されていない。ワイパーは、WP50に改造されているが、1-1次車の手すりは短くワイパーと干渉しないのでそのままである。1-1次車はヘッドライトが中央に100ミリ寄っており、独特の風貌である。またキハ56系の1-1次車は側面の裾絞り形状も1-2次車以降と異なり、若干直線的な折れ方となっている。ステップは1-2次車までの特徴でタイフォン上部にある。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は設けられておらず、ケーブルは標識灯掛けに引っ掛けられているケースが多かった。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。テールライトは原形の内ばめ式である。
側面はほぼ原形のままであり、原形の戸当たりレール2本のドアが付いている。キハ56系の1-1次車は、乗務員室ドア脇の手すりが1-2次車以降と比べ下へ長い。
屋根上は、ほぼ原形のままである。
床下はほぼ原形である。キハ27の1-1次車は発電動機箱がキハ56に準じ1位側床下に設けられている。
車端面は非常に特徴があり、キハ56系の1-1次車のみ端面の下降窓が無い。


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