キハ27 10



1961年3月30日東急車両製の1-1次車で、昭和35年度民有債で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット9〜12全車とも苗穂へ配置された。同グループはキハ58系で最も初期に投入されている。苗穂ではまず前年よりキハ55系で運行されていた急行「すずらん」の置き換えとして使用されたが、「36-10改正」では三階建急行の「オホーツク」「宗谷」「摩周」が新設され、これに伴い函館へ転属した。1964年10月改正では一部運用の移管により苗穂へ転属した。へキハ27が増備されたことから需給の関係で苗穂へ転属し、道内各地の急行で使用される。1966年10月改正では函館との間でキハ56とキハ27の交換があり、当車は函館へ転属した。函館では急行「宗谷」や「すずらん」で活躍したが、「ヨンサントオ」改正で急行「宗谷」の旭川編成が旭川担当となり、当車は旭川へ転属した。旭川では前述の急行「宗谷」のほか「かむい」「狩勝」等で使用された。国鉄末期の「56-10改正」では石勝線開業に伴い運転系統の整理が行われ、急行「宗谷」は札幌で運用分離され苗穂の担当となったことから、旭川では主に急行「かむい」「狩勝」の運用のみとなり、次第に普通列車でも使用されるようになった。しかし「59-2改正」で急行の減車等が行われると余剰となり、1984年5月14日付で廃車となった。

前面は1-1次車であり他と相違点が多く特徴的である、前面補強は旭川工場で施工されている。ワイパーは、WP50に改造されているが、1-1次車の手すりは短くワイパーと干渉しないのでそのままである。1-1次車はヘッドライトが中央に100ミリ寄っており、独特の風貌である。またキハ56系の1-1次車は側面の裾絞り形状も1-2次車以降と異なり、若干直線的な折れ方となっている。ステップは1-2次車までの特徴でタイフォン上部にあったが、助手席側のものは、タイフォン横に放送ジャンパ受栓と一体のステップが取り付けられたこともあり、無くなっている。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、タイフォン横に後期車に準じステップ一体型で設置されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。テールライトは原形の内ばめ式である。
側面はほぼ原形のままであり、原形の戸当たりレール2本のドアが付いている。キハ56系の1-1次車は、乗務員室ドア脇の手すりが1-2次車以降と比べ下へ長い。
屋根上は、ほぼ原形のままである。
床下はほぼ原形である。キハ27の1-1次車は発電動機箱がキハ56に準じ1位側床下に設けられている。
車端面は非常に特徴があり、キハ56系の1-1次車のみ端面の下降窓が無い。


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