キハ27 36



1962年4月5日東急車両製の3次車で、昭和36年度第2次債務で函館運転所に新製配置された。同一ロット36〜39のうち、36・37が函館へ配置された。函館では三階建急行の「オホーツク」「宗谷」「摩周」で使用開始した。しかし同急行は超大編成を組むことから早々と長大編成対応の100番台が増備され、これと入れ替わるように1963年には苗穂へ転属した。苗穂では道内全域の急行で使用されたが、1969年に札幌運転区の拡張により一部の運用は札幌へ移管され、当車も札幌運転区へ転属した。札幌では主に千歳線・室蘭本線の急行「すずらん」「ちとせ」「えりも」を主体に運用されるようになった。「55-10改正」で室蘭までの電化が完成すると急行「ちとせ」が大幅削減されるが当車は引き続き急行「えりも」で使用された。国鉄末期の「61-3改正」で急行の減車が行われると余剰となるが、老朽化したキハ22の置き換え用に苫小牧へ転属した。苫小牧では室蘭本線・日高本線の普通列車で活躍したが、地方交通線の廃止によりキハ40系に余裕が出てくると余剰となり、旭川の老朽車淘汰のため1986年12月6日付で旭川へ転属した。そして0番台車ながらそのままJR北海道へ継承された。旭川では道北各線の普通列車で他形式に混じり活躍したが、苗穂より状態の良いキハ27 112が転入すると真っ先に余剰となり、1988年3月16日付で廃車となった。廃車後は北見市の個人に引き取られ、2019年4月現在も現存している。

前面は、苗穂工場で前面補強されている。ワイパーは、WP50に改造されており、正面窓下の手すりは左右ともに短い手すりに改造された、苗穂工場標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。当車は温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、ステップ一体型に改造されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。テールライトは原形の内ばめ式である。正面窓上の通風口は左右とも残存している。
側面はほぼ原形のままであり、原形の戸当たりレール2本のドアが付いている。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。
屋根上は、ほぼ原形のままである。
床下はほぼ原形であるが、後位側に汚物処理装置が取り付けられている。


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