キハ27 124 → キロ29 3



1966年5月6日帝国車両製の6-6次車で、昭和40年度第1次債務で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット121〜124全車が苗穂へ配置された。苗穂では北海道全域の急行列車で使用されたが、1973年には特急の増発による急行の一部削減により捻出され、1973年3月31日付でお座敷気動車へ改造され、キロ29 2へ改番された。以降は主に定期列車に増結の形で団体専用車両として使用された。当初は急行色のままグリーン帯を巻いて使用されていたが、1984年にキハ56改造の増備車が登場した際に、クリーム色ベースにV字帯の新塗装へ変更され、「くつろぎ」の愛称が付けられた。その後はJR化直前に、JR北海道のコーポレートカラーである黄緑色を使用した新塗装へ変更され、JR北海道へ継承された。JR化後も引き続き定期列車併結及びキロ59と組んだ専用編成で道内各地で使用された。1992年1月14日には床下及び屋根上に機器を持つタイプの冷房化が施工され、同時に塗装が快速「ミッドナイト」に準じた、急行色のデザインを残した新塗装へ変更された。しかし1990年以降特急列車の高速化が進むと併結する急行列車も減少し、また当車は高速化にも対応できないこと、気象条件の厳しい北海道では車両の老朽化も早いことから、1997年12月30日付で廃車となった。

前面は、苗穂工場で前面補強されている。ワイパーは、WP50に改造されており、正面窓下の手すりは左右ともに短い手すりに改造された、苗穂工場標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。6-6次車は温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、原形のステップ一体型となっている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。正面窓上の通風口は左右とも撤去されている。お座敷車は放送用回路が1本増え、運転席側にもKE66ジャンパが取り付けられている。
側面は、乗降扉は戸当たりレール1本のドアが付いていたが、下部の丸窓は撤去されている。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。お座敷に改造された後に、側面前位側の乗降ドア及び一部の窓が埋められている。
屋根上は、1991年の冷房化時に、屋根上へ冷房ユニットが取り付けられ、キハ58系では数少ないAU13以外での冷房化の例である。冷房に支障しない通風機は原形のまま残されている。
床下は、冷房化時に発電装置等が床下へ設置され、機器配置が変更されている。水タンクは原形のFRP製タンクを取り付けている。後位側に汚物処理装置が取り付けられている。


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