キハ27 201 → キハ27 553



1968年3月25日新潟鐵工製の8-1次車で、昭和42年度本予算(追加)で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット201〜203全車が苗穂へ配置された。苗穂では北海道全域の急行列車で使用された。この状態は国鉄末期まで続き、急行削減後も後期車であることから引き続き残り、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は引き続き苗穂配置で急行「そらち」や函館本線山線・札沼線などの普通列車で使用された。1989年の急行廃止による運用縮小後は比較的平坦な函館へ転出することになり、1989年7月4日付で移動した。その後は函館配置で波動用で使用されたが、1988年に登場した快速「ミッドナイト」が好評であることからこれの増備車として活用されることになり、1990年3月6日付で「カーペットカー」の増備車に改造され、キハ27 553へ改番された。改造に際し、1988年に改造された車両は前位側が女性専用区画とされ更衣室等が設けられたが、当車は増備車であることから定員確保に重点が置かれ、便所も撤去され全室カーペット張りとなった。快速「ミッドナイト」の中間となる2号車専用とされたため先頭に立つことは少なかったが、他車が検査入場の際や札幌方・函館方で間合いを利用し臨時列車で運行される際は先頭に立つこともあった。老朽化により快速「ミッドナイト」がキハ183系化されるまで活躍し、2001年3月31日付で廃車となった。

前面は、モデルチェンジ車であり前面補強がされていない。ワイパーは、WP50に改造されているが正面窓下の手すりは原形のままで、北海道のモデルチェンジ車標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。8-1次車は平窓車同様の位置に制御用ジャンパ受栓があり、受栓自体は耐雪仕様のヒーター入りが取り付けられている。放送ジャンパ受栓は、苗穂工場のモデルチェンジ車標準の、タイフォン横ステップ上部へ設置されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。正面窓上の通風口は左右とも撤去されている。当車は貫通扉が平窓車のものに交換されており、扉窓が縦長になっている。これは北海道のモデルチェンジ車ではよく見られる形態である。ミッドナイト増備車の553・554のみ、正面に他の北海道型気動車同様に車番表記がされている。
側面は、「ミッドナイト」改造時に前位側の乗降扉と便所窓が撤去されている。乗務員室ドアは平窓車のものに交換されており、ドアノブ凹みがない。乗降扉は下部の丸窓が埋められ、戸当たりレールは新製時より1本となっている。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。当8-1次車は、2-4位側側窓間に、冷房発電機用の吸気口が準備されていたが、「ミッドナイト」改造時に撤去され存在しない。
屋根上は、冷房準備車用の冷房取り付け座がすべて撤去され、つるつるの屋根上となっている。また前位側のガーランドベンチレーターも撤去されている。
床下は、「ミッドナイト」に改造された際に、4VK冷房発電ユニット取り付け予定位置に床下式の冷房装置が取り付けられている。それ以外はほぼ原形のままである。水タンクは原形のFRP製タンクを取り付けている。当車は後位側に汚物処理装置を取り付けていたが、「ミッドナイト」に改造された際に便所が撤去されたため、汚物処理装置も撤去されている。


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