キハ27 207 → キハ27 554



1968年9月7日新潟鐵工製の8-3次車で、昭和42年度第3次債務で札幌運転所に新製配置された。同一ロット204〜207のうち、当車のみ札幌へ配置された。札幌では主に室蘭本線系統の急行「すずらん」「ちとせ」「えりも」の他、急行「紋別」「はぼろ」等で使用された。この状態は国鉄末期まで続き急行削減後も後期車であることから最期まで残った急行「ちとせ」用として引き続き残り、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は、青函トンネルの開業した1988年3月のダイヤ改正で札幌運転所のキハ56系配置が苗穂へ統合され、当車は1988年3月3日付で苗穂へ転属した。引き続き苗穂配置で急行「そらち」「ちとせ」や函館本線山線・札沼線などの普通列車で使用された。1989年には急行「そらち」のキハ400系化、急行「ちとせ」廃止により余剰気味となるが、1988年に登場した快速「ミッドナイト」が好評であることからこれの増備車として活用されることになり、1990年3月8日付で「カーペットカー」の増備車に改造され、キハ27 554へ改番された。改造に際し、1988年に改造された車両は前位側が女性専用区画とされ更衣室等が設けられたが、当車は増備車であることから定員確保に重点が置かれ、便所も撤去され全室カーペット張りとなった。快速「ミッドナイト」の中間となる2号車専用とされたため先頭に立つことは少なかったが、他車が検査入場の際や札幌方・函館方で間合いを利用し臨時列車で運行される際は先頭に立つこともあった。1990年代後半になると老朽化からキハ56系は全廃されることになり、当車は検査期限の関係から他車より一足早く2000年3月31日付で廃車となった。

前面は、モデルチェンジ車であり前面補強がされていない。ワイパーは、WP50に改造されているが正面窓下の手すりは原形のままで、北海道のモデルチェンジ車標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。8-3次車はタイフォン下部左右に分かれて制御用ジャンパ受栓があり、受栓自体は耐雪仕様のヒーター入りが取り付けられている。放送ジャンパ受栓は、原形のままタイフォン横ステップ下部へ設置されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。正面窓上の通風口は左右とも撤去されている。当車は貫通扉が原形のままであり、扉窓が正方形に近い形状となっている。これは北海道のモデルチェンジ車では珍しい。ミッドナイト増備車の553・554のみ、正面に他の北海道型気動車同様に正面に車番表記がされている。
側面は、「ミッドナイト」改造時に前位側の乗降扉と便所窓が撤去されている。乗務員室扉は原形のモデルチェンジ車用を装備し、ドアノブが凹みの中にある。乗降扉は原形のままドアノブ1本タイプであるが、下部の丸窓は埋められ無くなっている。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。当8-3次車は、2-4位側側窓間に、冷房発電機用の吸気口が準備されていたが、「ミッドナイト」改造時に撤去され存在しない。
屋根上は、冷房準備車用の冷房取り付け座がすべて撤去され、つるつるの屋根上となっている。また前位側のガーランドベンチレーターも撤去されている。
床下は、「ミッドナイト」に改造された際に、4VK冷房発電ユニット取り付け予定位置に床下式の冷房装置が取り付けられている。それ以外はほぼ原形のままである。水タンクは原形のFRP製タンクを取り付けている。当車は後位側に汚物処理装置を取り付けていたが、「ミッドナイト」に改造された際に便所が撤去されたため、汚物処理装置も撤去されている。


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