キハ27 211



1968年9月11日新潟鐵工製の8-3次車で、昭和42年度第3次債務で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット208〜211のうち、210・211が苗穂へ配置された。苗穂では道内全域の急行で使用開始したが、札幌運転所の拡張により1969年度中に札幌へ転属している。札幌では主に室蘭本線系統の急行「すずらん」「ちとせ」「えりも」の他、急行「紋別」「はぼろ」等で使用された。この状態は国鉄末期まで続き急行削減後も後期車であることから最期まで残った急行「ちとせ」用として引き続き残り、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は、青函トンネルの開業した1988年3月のダイヤ改正で札幌運転所のキハ56系配置が苗穂へ統合され、当車は1988年3月13日付で苗穂へ転属した。苗穂では波動輸送や函館本線山線・札沼線などの普通列車で使用された。しかし波動輸送の減少及び函館本線の架線下気動車普通列車の電車化が進むと余剰となり、1992年10月2日付で廃車となった。

前面は、モデルチェンジ車であり前面補強がされていない。ワイパーはWP35のままであり、正面窓下の手すりも原形のままである。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。制御用ジャンパ受栓は、新製時より冷房車と同様タイフォンの下部左右に設置されている。受栓自体は耐雪仕様のヒーター入りが取り付けられている。放送ジャンパ受栓は、原形のままステップ下部に設けられている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。正面窓上の通風口は左右とも撤去されている。当車は貫通扉が平窓車のものに交換されており、扉窓が縦長になっている。これは北海道のモデルチェンジ車ではよく見られる形態である。
側面は、乗降扉・乗務員室扉ともに平窓車初期車のものに交換されており、乗降扉は下部の丸窓なし、戸当たりレール2本となっている。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。当8-3次車は、2-4位側側窓間に、冷房発電機用の吸気口が準備されており、鉄板で蓋がされている。
屋根上は、原形のままの冷房準備車仕様である。
床下はほぼ原形のままで、当然冷房発電セットは取り付けていないため空いている。水タンクは原形のFRP製タンクを取り付けている。後位側に汚物処理装置を取り付けている。


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