キハ27 212



1968年9月17日新潟鐵工製の8-3次車で、昭和42年度第3次債務で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット212〜214のうち、当車のみ苗穂へ配置された。苗穂では道内全域の急行で使用開始したが、札幌運転所の拡張により1969年度中に札幌へ転属している。札幌では主に室蘭本線系統の急行「すずらん」「ちとせ」「えりも」の他、急行「紋別」「はぼろ」等で使用された。1972年3月改正では特急増発による車両移動で苗穂へ転属し、再び道内全域の急行で使用された。この状態は国鉄末期まで続き、急行削減後も後期車であることから引き続き残り、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は引き続き苗穂配置で急行「そらち」や函館本線山線・札沼線などの普通列車で使用された。しかし波動輸送の減少及び札沼線へのキハ141系投入、函館山線へのキハ150投入により余剰となり、1996年3月29日付で廃車となった。

前面は、モデルチェンジ車であり前面補強がされていない。ワイパーは、WP50に改造されているが正面窓下の手すりは原形のままで、北海道のモデルチェンジ車標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。制御用ジャンパ受栓は、新製時より冷房車と同様タイフォンの下部左右に設置されている。受栓自体は耐雪仕様のヒーター入りが取り付けられている。放送ジャンパ受栓は、苗穂工場のモデルチェンジ車標準の、タイフォン横ステップ上部へ設置されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。正面窓上の通風口は左右とも撤去されている。当車は貫通扉が原形のままであるが、北海道では平窓用のものと交換された車両が大半であり、原形の車両は珍しい。
側面は、乗降扉が平窓車初期車のものに交換されており、下部の丸窓なし、戸当たりレール2本となっている。乗務員室ドアは原形のままで、ドアノブが凹みの中にある。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。当8-3次車は、2-4位側側窓間に、冷房発電機用の吸気口が準備されており、鉄板で蓋がされている。
屋根上は、原形のままの冷房準備車仕様である。
床下はほぼ原形のままで、当然冷房発電セットは取り付けていないため空いている。水タンクは原形のFRP製タンクを取り付けている。後位側に汚物処理装置を取り付けている。


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