1961年5月24日東急車両製の1-1次車で、昭和35年度債務で広島機関区に新製配置された。同一ロット3～6のうち、当車のみ広島へ配置された。広島では急行「宮島」等、山陽本線の急行列車で使用開始した。山陽本線の全線電化後は九州へ乗り入れる急行「青島」で活躍したが、日豊本線内勾配区間が多く、1965年にキハ58が増備されると1エンジンのキハ28他区へ転出することになり、1965年9月30日付で長崎へ転出した。しかし1966年度初には鹿児島へ配置されており、1965年度中に転属したものと思われる。その後は晩年まで九州内を転々とする。鹿児島では急行「フェニックス」「青島」等、鹿児島本線・日豊本線の幹線急行を主に活躍したが、1967年には熊本へ転属し、主に急行「えびの」で使用されるようになる。1970年には竹下へ転属し、主に長崎本線系統の急行で使用されるようになり、1971年6月26日付で冷房化及び発電エンジン搭載改造が行われ、2003へ改番された。1974年4月25日には各地間で車両交換があり、当車は熊本へ転属した。以降は再び急行「えびの」を中心に活躍するようになった。この状態は比較的長く続いたが、「59-2改正」で急行「えびの」の減車が行われた際に余剰となり、1984年2月1日付で人吉へ転属した。人吉では急行「くまがわ」を中心に使用された。当車の転入で人吉では2001が余剰廃車となったが、2003と2001は大して車齢は変わらず、なぜこのような玉突きが行われたかは不明である。結果的に2003は2001より15年以上も長生きすることになる。国鉄最後の「61-11改正」では急行「くまがわ」も減車が行われ、当車は普通列車用として1986年10月29日付で竹下へ転属し、そのままJR九州へ継承された。JR化後は主に博多近郊の普通列車用として使用されたが、1988年には需給の関係で直方へ転出し、主に筑豊地区の普通列車で使用されるようになった。1988年9月3日付で近郊化改造および九州色への塗装変更が行われ、ローカル運用専属となった。1992年以降久大本線でワンマン化が行われる事になったが、直方で近郊化改造車の当車はその種車として活用されることとなり、1992年3月26日付でワンマン化改造を施工し、翌27日には大分へ転属し、久大本線の普通列車で使用されるようになった。しかし1994年より豊肥本線・久大本線のワンマン運用にはキハ125が投入されることになり早くも大分を追われる事になったが、ワンマン改造車であることから1994年3月度で鹿児島へ転属し、日南線のワンマン化に活用されることとなった。そのため宮崎をベースに運用された。この日南線が最後の活躍路線となり、2001年10月に筑豊本線・篠栗線が電化された際に大幅な車両転配が行われ日南線へキハ31・47が転入した際に余剰となり、2002年3月22日付で廃車となった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが若干下に移動しているのは九州では標準形。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は、九州標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、ステップ一体型の受栓となっている。タイフォンカバーは、原形のスリット式カバーである。正面窓上の通風口と雨どいが撤去されており、鹿児島地区の標準スタイルである。また、鹿児島地区では降灰の関係上デフロスタを装備している。鹿児島地区標準のフック式のヘッドマークステイが貫通扉に取り付けられている。
側面は、近郊化改造が施工されているので、洗面所が撤去されており、当該箇所の臭気抜き窓がなくなっている。当車は乗降扉戸袋点検蓋が後期車に準じた大型のものに更新されている。3位側側面に、4VK発電セット用の吸気口が設置されている。
屋根上は、全ての通風器が撤去されており、晩年の九州の特徴である。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。機関は原形のDMH17Hエンジンを装備しているが、機関予熱器は撤去されている。2000番台であり4VK発電セットを取り付けている。水タンクは、新型のFRP製のものに交換されている。
妻面は、九州の近郊型特有の、仕切り扉付き。その関係でデッキにあった下降窓は埋められている。

キハ58イラストのページへ戻る

キハ58系のページへ戻る

ホームへ戻る