キハ28 56 → キハ28 2056 → キロ29 553



1962年1月17日東急車両製の2次車で、昭和36年度本予算(残)で小郡機関区に新製配置された。同一ロット55〜58のうち、55〜57が小郡へ配置された。小郡では山陽本線の準急「周防」及び九州へ向かう準急「あきよし」で運用を開始した。小郡では長く活躍し、山陽本線の電化後は主に山陰西部〜九州の急行「あきよし」で活躍した。1971年7月20日付で冷房化及び4VK電源装置取り付けを行い2056へ改番され、引き続き国鉄末期まで小郡で使用された。国鉄末期の「60-3改正」では急行「あきよし」が廃止されたものの急行「さんべ」「ながと」を小郡で担当するようになり、同急行及び山口線・山陰本線の普通列車で使用され、そのままJR西日本へ継承された。JR化後も引き続き同じ用途で使用されたが、当時の小郡のキハ58系配置は使用数に対し余裕が多く、当車はJR化後広島地区でジョイフルトレインの計画があり、これには比較的車齢の高い車両が選ばれ、当車が1988年7月18日付で「リゾートサルーン フェスタ」のキロ29 553として改造され、広島に配置された。正面形状でインパクトのある「フェスタ」であるが、当車は完全な切妻構造の中間車とされ、これまた珍しい存在であった。改造後は主に団体列車として長く活躍したが、一般の優等列車のレベルが上がりジョイフルトレインの魅力が薄れたこと、定期列車の速度向上が図られたがキハ58系改造の当車はこれ以上のスピードアップが困難であること、そもそも老朽化が進んでいることから2003年で運用を停止し、2003年7月25日付で廃車となった。

車体は、前面は完全な切妻構造の中間車とされ、種車の面影は残っていない。側面も連続窓に改造され、ドア構造も改造されており、構体の骨組みと床下機器・屋根上機器くらいしか原形は残っていない。当車は1-4位側と、2-3位側でドアの構造が異なり、国鉄〜JRの旅客車の中でも特異な存在である。一方床下機器はほぼ改造前のままである。


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