キハ28 72



1962年3月16日東急車両製の2次車で、昭和36年度本予算(残)で千葉気動車区に新製配置された。同一ロット70〜73のうち、71〜73が千葉へ配置された。千葉では房総地区全域の急行で使用され、1969年度には4VKを搭載しない冷房化のみが行われている。房総地区幹線全線電化完成後の「50-3改正」で千葉地区の急行型気動車配置が無くなり、1975年4月3日付で敦賀へ転属した。敦賀ではそれまでのキハ55系に代わり急行「わかさ」等で使用されるようになったが、同時に転入したキハ58は非冷房車であり、当車も冷房電源を搭載しないことから非冷房車扱いで使用された。その後「55-10改正」では各地から冷房キハ58系が七尾へ転入した玉突きで冷房電源付きキハ28が敦賀へ転入し、当車は更に玉突きで1980年10月18日付で竹下へ転属した。竹下では老朽したキハ20やキハ26に代わり博多近郊の普通列車で使用されるようになった。また冷房を使用しない時期においては快速や急行の増結に使用されることもあった。しかしながら冷房電源を装備しないキハ28は九州では異端であり運用上の制約が多いことからダイヤ改正による減車や地方交通線の廃止により車両需給に余裕がでると真っ先に余剰対象となり、1984年3月2日付で廃車となった。

前面は、敦賀時代に前面補強されている。ワイパーはWP50に更新され、それに伴い運転室窓下の手すりが撤去されており、金沢地区特有の形態である。制御用ジャンパ受栓は、タイフォン下部で左右離れた位置に移設されている。放送用ジャンパ受栓は、タイフォン横ステップ下部に設置されている。テールライトは運転席側のみ外ばめ式に改造されており、金沢地区の特徴である。タイフォンカバーは、原形のスリット状カバーである。当車は千葉時代のヘッドマークステイを貫通扉に残している。
側面は、ほぼ原形である。冷房車ながら4VK発電セットを搭載しないので当然吸気口も設置されていない。
屋根上は、標準的な冷房車の形態で特筆すべき点はない。
床下機器は、ほぼ原形である。4次車までの初期車に搭載されている発電動機箱は、2-4位側中央部床下へ設置されている。


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