キハ28 186 → キハ28 2186



1963年4月10日東急車両製の4次車で、昭和37年度第1次債務で竹下気動車区に新製配置された。同一ロット184〜187のうち、185・186が竹下へ配置された。竹下では主に鹿児島本線や長崎本線系の幹線急行列車に使用された。鹿児島本線の電化進展に伴い1968年度中に長崎へ転属し、長崎本線系統の急行「いなさ」「弓張」を中心に活躍した。キハ58系では早期の1969年8月12日付で冷房化及び発電エンジン搭載改造が行われ、2186へ改番された。引き続き長崎本線系統の「いなさ」「弓張」を中心に長き使用された。国鉄末期の「57-11改正」で長崎本線の急行が全廃された後は旧型客車やキハ55系に代わり普通列車で使用されるようになった。また「59-2改正」で715系電車投入により気動車普通列車も電車化が進められた後は大村線や松浦線を主な活躍の場とした。そしてそのままJR九州へ継承された。長崎ではボックスシートのまま普通列車用とされ1988年4月18日付で九州色へ変更され、新設された快速「シーサイドライナー」を中心に活躍した。1992年7月15日のダイヤ改正で快速「シーサイドライナー」の体質改善のため各地からアコモ改造車が転入し、車両の大幅な入れ替えが行われたが、当車は引き続き長崎に留まり、主に普通列車で活躍した。この状態は長く続いたが、2001年10月に筑豊本線・篠栗線が電化された際に大幅な車両転配が行われキハ200及びキハ66・67が転入した際に余剰となり、2002年3月22日付で廃車となった。当車は転配の多い九州のキハ58系では転属の非常に少ない車であった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが若干下に移動しているのは九州では標準形である。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は、概ね九州標準の形態であるが、助手席側のステップが通常より高い。放送用ジャンパ受栓は、小倉工場で多く見られる、タイフォン上部へ移設されている。タイフォンカバーは、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。正面窓上の雨どい・通風口は原形のまま残っている。長崎では、幌枠に取り付けるタイプのヘッドマーク(シーサイドライナー用)を使用していたため、貫通扉にヘッドマークステイは取り付けられていない。
側面は、3位側側面に4VK発電セットの吸気口が設置されている。運転席側窓バランサー点検蓋が追設されている。
屋根上は、全ての通風器が撤去されており、晩年の九州の特徴である。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項である。機関は原形のDMH17Hエンジンを装備しているが、機関予熱器は撤去されている。2000番台であり4VK発電セットを取り付けている。当車は床下水タンクが原形の鋼製のままである。


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