キハ28 329 → キハ28 2329



1964年2月10日帝国車両製の6-1次車で、昭和38年度本予算(追加)で広島機関区に新製配置された。同一ロットは当車1両のみである。広島では主に九州直通急行「青島」で使用され、九州方面への幹線急行であることからキハ58系では初期の1969年5月19日付で冷房化及び4VK電源装置取り付けを行い2329へ改番された。1975年には山陽新幹線開業で急行「青島」は廃止されるが、引き続き広島運転所に残留し主に芸備線系統の急行に使用され、そのままJRに継承された。JR化後も引き続き芸備線の「ちどり・みよし・たいしゃく」で色を変えながら使用された。まず1990年2月20日に赤色ベースの「広島急行色T」に、1992年11月5日付で緑ベースの「広島急行色U」に、そして1997年頃に現行の「広島急行色V」に変更された。芸備線急行は縮小が続くが最後の急行「みよし」が廃止されるまで使用され、2007年7月1日の急行廃止で保留車となった。しかしながら、同車は幸運にも岡山地区でのイベント用に残され、幡生車両所(下関車両センター)で急行色に塗り戻され、岡山地区で「みまさかスローライフ号」など、イベント列車で使用された。そして2010年12月10日をもって廃車となった。

前面は、前面補強は国鉄時代の幡生施工で、小倉工場に類似した左右両側にWP50用の切り欠きの無いタイプである。ワイパーは強化型のWP50へ更新されているが、運転席窓下の手すり位置は原型のままで、関西からの転入組との区別は容易である。制御ジャンパ受栓は、タイフォン下部に寄り添う位置へ移設されている。放送ジャンパ受栓は、関西地区特有のタイフォンとテールライトの間に移設されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式である。テールライトは内ばめ式のままである。正面窓上の通風口は撤去されているが、水切りは残っている。
側面では、乗降ドア隅の丸穴が完全になくなっている。乗務員室窓バランサー点検蓋は、後年追設され鉄板で塞がれている。汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。広島地区の特徴として側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。また乗降ドアの戸袋点検蓋が埋められてなくなっている。
屋根上は、すべての通風器が交換され、断面五角形の箱型通風器となっている。これはJR西日本では広島支社に多い特徴である。
床下は、4VK冷房電源装置を取り付けたキハ28の標準形態である。油タンクは角型のものに交換されている。水タンクはFRP製のものに交換されている。後位側に循環式汚物処理装置が取り付けられている。


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