キハ28 354



1964年5月26日富士重工製の6-2次車で、昭和38年度第3次債務で山形機関区に新製配置された。同一ロット353・354のうち、当車のみが山形へ配置された。山形では急行「ざおう」「出羽」等東北南部の幹線急行を中心に活躍した。同時期の東北地方のキハ58系はダイヤ改正毎に車両増備や運用移管で転配が頻繁に行われたが、当車は国鉄末期まで長く山形で活躍した。東北新幹線開業に伴う「57-11改正」では急行の大幅削減により捻出され、1982年11月21日付で弘前へ転属し、快速化された「深浦」や五能線の普通列車を中心に活躍した。国鉄末期には需給の関係及び車両交換により転属が続き、1984年2月1日付で秋田へ、1985年3月14日付で再び弘前へ、そして1986年10月31日付で山形へ転属した。そしてそのままJR東日本へ継承された。JR化後は山形配置で奥羽本線・左沢線・陸羽西線を中心に普通列車で使用された。その後は1990年より始まったキハ110系投入による車両転配や、左沢線のワンマン化・ロングシート化・短編成化により捻出され余剰となった。しかし当車は水郡線の冷房車を他区へ転出させるため1991年3月17日付で常陸大子へ転出し、冷房キハ58系に代わり水郡線の普通列車で活躍するようになった。しかしこの措置はキハ110系投入までの「つなぎ」に過ぎず、1992年3月改正で水郡線にキハ110系が投入されると余剰となり、1992年12月1日付で廃車となった。

前面は、前面補強が施工されていない。ワイパーは原形のWP35のままであり、運転室窓下の手すりも原形のままである。正面窓上の水切り・通風口は原形のままである。放送用ジャンパ線受は、秋田地区標準位置の、テールライトの左下付近に移設されている。テールライトは外ばめ式に改造されている。タイフォンは新製時よりシャッター式となっている。
側面では、乗降ドア隅の丸窓が撤去されている。国鉄山形時代に汚物処理装置の準備工事が施工され、側面に点検蓋が設けられている。
屋根上は、ほぼ原形である。
床下機器は、ほぼ原形のままである。スノープロウは単線用を取り付けている。


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