キハ28 371 → キハ28 2371



1964年12月14日新潟鐵工製の6-3次車で、昭和39年度第2次民有で水戸機関区に新製配置された。同一ロット369〜372のうち、370〜372が水戸へ配置された。水戸では常磐線の急行「ときわ」「奥久慈」で主に使用された。同急行は1970年より冷房化されることになり、当車も1972年7月27日付で冷房化及び4VK電源装置取り付けで2371へ改番された。その後も国鉄時代末期まで急行「ときわ」「奥久慈」の他、「いわき」「あがの」でも使用された。国鉄末期の「60-3改正」では常磐線の急行が全廃され水戸区の急行運用は無くなるが、引き続き水戸区で水郡線の普通列車や臨時列車で残った「奥久慈」などで使用された。「61-11改正」では真岡線の老朽キハ25を置き換えるためまとまった数のキハ28が転出し、当車も1986年11月で真岡支区へ転出した。そしてそのままJR東日本へ継承された。JR化後も引き続き真岡線の普通列車で使用されたが、1988年4月10日付で真岡線は第三セクターへ移管され、同日付で水戸へ戻った。水戸では再び水郡線の普通列車で活躍し、1990年3月には組織改正で所属区が常陸大子運輸所へと変わったが運用の実態は同じであった。1991年3月には、水郡線のキハ110系化を見越して同所の冷房キハ28を他区へ転出させ、代わりに廃車予定の非冷房キハ28を転入させる動きがあり、当車は1991年4月2日付で新潟へ転出した。新潟では主に快速「あがの」「べにばな」で使用されるようになり、転出後すぐの11月1日付で組織改正で所属が新津運輸区へと変わり、また12月度に機関換装・車両更新を施工され機関がカミンズ製DMF14HZへと変わった。また前後して塗装も新潟色へ変更された。その後は長く新津で活躍し、1994年の快速「あがの」へのキハ110系投入後も引き続き快速「べにばな」で主に米坂線で使用された。米坂線は1997年の長野新幹線開業以降、飯山線のキハ110系化で追われたキハ52が転入し、更新車でかつ両運車であることから使いやすく、この時期にキハ58系は淘汰されたが、キハ52は近郊形で非冷房であったことから波動用として必要最低限のキハ58系を残すこととし、幸運にも当車は引き続き新津に残留することになった。2000年以降は同じく残ったキハ58 677・1022と共に快速「べにばな」や、波動用・臨時列車等で使用された。当時キハ58系は既に数を減らしており希少価値が高いことから、当車はキハ58 1022と共に急行色へ塗り戻され、イベント列車等でも多く活躍するようになった。しかし老朽化には勝てず、キハ52共々新製されたキハE130に置き換えられ、2010年1月30日付で廃車となった。

塗装は急行色へ塗り戻されているが、原形の急行色とは相違点が多い。通常KE53ジャンパ栓納めはクリーム色で塗られるが、当車は赤帯の部分は赤色になってしまっている。また幌枠下部も通常はクリーム色であるはずが、赤帯のまま塗り分けされている。これは完全なエラーである。また、雨どいはこの手の塗り戻し車両に多い「赤色」となっており、昭和40年代中盤には本州用は既に「雨どいはクリーム」が浸透していたので、違和感のある塗装となっている。さらに、側面の車号表記が正規の赤11号ではなく白色で書かれており、全く読みづらくなっている。このように、遠目には急行色ながら細部でエラーの多い仕上がりであった。
前面は、水戸時代に前面補強が施工されているが、補強板の境界線はほとんど目立たない。ワイパーは原形のWP35のままで、運転席窓下の手すりの位置も原形のままである。制御ジャンパ受栓は、タイフォン下部に寄り添う位置へ移設されている。放送ジャンパ受栓は、原形のステップ一体型である。タイフォンカバーは筒型の後期新潟タイプに更新されているが、タイフォン上部のシャッター作用箱も撤去されて真ん丸になっており、作用箱代用の小足掛けが追加されている。テールライトは外ばめ式へ改造されている。貫通扉は更新時に窓が金属押さえの新型のものに交換されている。正面窓上の水切り・通風口とも撤去されており、JR東日本更新車の標準の形態である。
側面では、乗降ドアが交換され、金属押さえ窓、ドア隅の小窓無し、タブレット保護柵用の窪み無しである。また、乗務員室ドアも交換され、ドアノブが、窪みの中に収まっている。また乗務員室ドア下部に、小手すりが追加されている。また、客室・常務員共にドア下のくつずり部がステンレスに交換されている。また、当地区では側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。また、客室扉戸袋部の点検蓋はキハ40系のような形状に更新されている。乗務員室ドア後部にあったタブレット保護板は撤去されている。JR東日本のエンジン換装車共通で、側面の機関冷却水給水口が埋められている。洗面所側は、洗面所が撤去されたのに伴いガラスが通常の透明ガラスに交換され、また臭気抜き窓が撤去されている。
屋根上は、クーラー配置が常磐無線対応の位置となっており、クーラー間隔が均等でない。
床下では、単線用スノープロウを付けている。エンジンは、防火対策・車両更新の際にカミンズ製DMF14HZへ交換されている。また、燃料油タンクは角型のものに交換されている。


キハ58イラストのページへ戻る

キハ58系のページへ戻る

ホームへ戻る