キハ56 3



1961年3月28日新潟鐵工製の1-1次車で、昭和35年度民有債で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット1〜3全車とも苗穂へ配置された。苗穂では急行「狩勝」で使用開始した。「36-10改正」では車両増備により急行の新設が相次ぎ活躍の場を広げていったが、1962年には苗穂への増備車投入及び急行「狩勝」の一部を釧路へ移管することから当車は玉突きで釧路へ転属した。釧路では急行「狩勝」「ノサップ」「しれとこ」等で長く活躍した。その後1976年に池田配置のキハ56 29・30が事故廃車されたためその補充として1977年度にキハ56 4とともに池田へ転属した。池田では引き続き急行「狩勝」を主に運用された。「59-2改正」では車両基地の統合により池田配置車は釧路へ移管され、当車も1984年2月1日付で釧路へ転属した。釧路では急行「狩勝」「まりも」「ノサップ」「しれとこ」で活躍したが、「60-3改正」で急行「まりも」が特急「おおぞら」に格上げされると余剰となり、1985年6月10日付で廃車となった。

前面は、釧路工場で前面補強されているが、補強板の上辺が苗穂に類似し正面窓直下まできているのが特異である。ワイパーは、WP50に改造されているが、1-1次車の手すりは短くワイパーと干渉しないのでそのままである。1-1次車はヘッドライトが中央に100ミリ寄っており、独特の風貌である。またキハ56系の1-1次車は側面の裾絞り形状も1-2次車以降と異なり、若干直線的な折れ方となっている。ステップは1-2次車までの特徴でタイフォン上部にある。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、タイフォン右下にステップ一体型の受座を設置し、そこへ設けられている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。テールライトは原形の内ばめ式である。
側面はほぼ原形のままであり、原形の戸当たりレール2本のドアが付いている。キハ56系の1-1次車は、乗務員室ドア脇の手すりが1-2次車以降と比べ下へ長い。
屋根上では、水タンクは、北海道で良く見られる角型の形状へ変更されている。
床下は原形のままである。キハ56の1-1次車は、床下の消火器が台車付近に取り付けられているという特徴がある。


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