キハ56 109



1963年5月18日新潟鐵工製の5-1次車で、昭和37年度第2次債務で函館運転所に新製配置された。同一ロット107〜109全車が函館へ配置された。函館では長大編成を組む「オホーツク」「宗谷」「摩周」で従来の0番台に代わり使用開始した。その後も函館で長く使用され、「ヨンサントオ改正」で受け持ち区の整理が行われた後は主に急行「宗谷」で長く活躍した。「56-10改正」で急行「宗谷」が系統分離され苗穂へ移管された後は残った急行「ニセコ」で活躍したが、「57-11改正」で減車された際に余剰となり、初期車置き換えのため1982年11月20日付で釧路へ転属した。釧路では急行「狩勝」をはじめ「しれとこ」「ノサップ」等で活躍したが、国鉄末期の急行削減後は格下げ快速や普通列車で活躍するようになり、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は快速「狩勝」「ぬさまい」や普通列車・波動輸送で活躍したが、波動輸送の特急化や普通列車の短編成化・ワンマン化が進み、1991年7月12日付で廃車となった。

前面は、函館時代に五稜郭工場で前面補強されている。ワイパーはWP35のままであるが、左右の正面窓下の手すりは位置が下げられた五稜郭工場標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。当車は温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、タイフォン横ステップ下部へ設置されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。テールライトは原形の内ばめ式のままである。正面窓上の通風口は両側とも撤去されている。
側面は、乗降扉は4次車までと同様戸当たりレールが2本あり、更に下部隅に丸窓の設けられたドアを新製時より取り付けている。側面のサボ挿しは確認できる資料では原形の位置のままで、車体中央部窓間下部へ移設されたかどうかは不明である。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。また函館の5-2次車までの車両は6-3次車以降と同形の運転席側窓のバランサー点検蓋が設置されており、当車も改造されている。当車は前位側に雨どいの縦樋が外付けに改造されている。
屋根上は、水タンクが北海道で良く見られる角型の形状へ変更されている。
床下はほぼ原形であるが、後位側に汚物処理装置が取り付けられている。
車端面は、雨どいが改造された際に縦樋が外妻に露出したタイプに改造されている。そのため標識灯掛けや銘板の位置がずれている。


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