キハ56 118



1965年5月20日新潟鐵工製の6-4次車で、昭和39年度第3次債務で苗穂機関区に新製配置された。同一ロット117〜120全車が苗穂へ配置された。苗穂では北海道内全域の急行で活躍を開始したが、新製直後の1965年度9月1日に札幌運転区開設により同区へ転属した。札幌では主に室蘭本線系統の急行「すずらん」「ちとせ」「えりも」の他、急行「紋別」「はぼろ」等で使用された。札幌運転区は次第に電車の配置が増加し、都度運用が苗穂に移管されたが、当車も1972年3月で苗穂へ転属した。苗穂では道内全域の急行で活躍し、急行削減と共に次第に普通列車でも使用されるようになった。国鉄最期の「61-11改正」後は旭川の老朽車と交代することになり、1986年12月10日付で旭川へ転出し、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は旭川管内の普通列車や波動用、急行・快速の増結等で使用された。1980年代末期には赤帯下に青色テープが巻かれ、旭川地区特有の姿となったが、1993年頃にはテープが撤去され元に戻された。1995年には旭川へ波動用としてモデルチェンジ車が転出し、これと交代する形で当車は苗穂へ戻った。その後も引き続き波動用で活躍したが、キハ183系の波動用への進出が進み、当車は老朽化により1994年7月13日付で廃車となった。

前面は、苗穂工場で前面補強されている。ワイパーは、WP50に改造されており、正面窓下の手すりは左右ともに短い手すりに改造された、苗穂工場標準の形態である。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。当車は温水暖房付きの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、原形のステップ一体型となっている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。テールライトは原形の内ばめ式である。正面窓上の通風口は左右とも撤去されている。
側面は、乗降扉は4次車までの初期車が付けていた戸当たりレール2本のドアが付いている。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。当車はこのサボ挿し及び側面の車番表記が通常より後位側に若干ずれた変形車である。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。
屋根上では、水タンクが原形のままであり、後年多くが角型に更新された北海道では珍しい。
床下はほぼ原形であるが、後位側に汚物処理装置が取り付けられている。


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