キハ56 148



JR北海道色へ変更された唯一のキハ56系。

1967年4月8日新潟鐵工製の7-2次車で、昭和41年度第1次債務で札幌運転区に新製配置された。同一ロット146〜149全車が札幌へ配置された。札幌では主に室蘭本線系統の急行「すずらん」「ちとせ」「えりも」の他、急行「紋別」「はぼろ」等で使用された。国鉄末期の「55-10改正」では急行の減量化が行われ当車は需給の関係で1980年10月1日付で苗穂へ転属した。苗穂では北海道全域の急行列車で使用され、急行削減後も後期車であることから引き続き残り普通列車で活躍した。国鉄最末期の1986年11月13日には近郊化改造が行われ、そのままJR北海道へ継承された。JR化後は近郊化改造車であることから函館本線山線・札沼線などの普通列車で使用された。他の近郊化改造車がキハ141系投入により比較的短命であったのと対照的に当車は長生きし、その内装から1991年4月23日付でキハ56系では唯一「JR北海道色」へ変更された。しかし札沼線へのキハ141系及びキハ40系の追投入、函館山線へのキハ150投入により余剰となり、1996年3月29日付で廃車となった。当車は廃車直前、廃止直前の深名線で増結用として活躍しファンを驚かせたが、他のキハ56・53と組んだ際の編成美という点ではイマイチであった。

前面は、前面補強未施工である。ワイパーは、WP50に改造されているが、正面窓下の手すりは原形のままである。デフロスタは北海道標準で左右両側に取り付けられている。当次車は電熱ヒーター入りの制御用ジャンパ受栓を取り付けている。放送ジャンパ受栓は、タイフォン横ステップ下部に設置されている。タイフォンカバーは、原形のシャッター式カバーである。正面窓上の通風口は左右とも残存しており、この時期に残っていたキハ56系では唯一であった。
乗降扉は4次車までの初期車が付けていた戸当たりレール2本のドアが付いている。側面のサボ挿しは車体中央部窓間下部へ移設されており、従来の扉脇のものは撤去されている。便所側面には、汚物処理装置の点検蓋が取り付けられている。当次車は新製時より便所窓が横長の長方形となっている。当車は近郊化改造に伴う外観の変化は無い。
屋根上では、水タンクは、北海道で良く見られる角型の形状へ変更されている。
床下はほぼ原形であるが、後位側に汚物処理装置が取り付けられている。


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