キハ58 168



1962年5月18日富士重工製の3次車で、昭和36年度2次債務で和歌山機関区へ配置された。同一ロット167〜169のうち、168のみが和歌山へ配置されている。和歌山では紀勢本線の急行「きのくに」で運用され、1970年頃に冷房化されたものと思われるが詳細は不明。「55-10改正」では381系増備により急行「きのくに」3往復が特急「くろしお」に格上げされ、この際に余剰となる。当車は新潟地区の急行冷房化に使用されるようになり、1981年2月13日付で新潟運転所へ転出した。新潟では、主に急行「赤倉」「いいで」「あさひ」「羽越」「うおの」等で使用された。東北・上越新幹線開業に伴う「57-11改正」では急行「赤倉」「羽越」「うおの」が廃止されたが、引き続き急行「べにばな」快速「あがの」で冷房化に貢献した。しかし、「60-3改正」で支線急行は軒並み格上げもしくは廃止・縮小され、当車はこの際に余剰となるが、幸運にも山形地区の更なる冷房化のため、1985年3月14日付で山形機関区へ転出した。急行「月山」「もがみ」等で活躍した。しかし国鉄最後の「61-11改正」で急行「もがみ」が廃止されると余剰となり、1987年2月10日付で廃車となった。

前面は、和歌山時代に高砂工場で前面補強が施工されている。ワイパーはWP50に更新され正面運転台窓下の手すりが短くなっており、関西地区の特徴である。制御用KE53ジャンパ受栓の位置はタイフォン下部で左右寄り添う位置へ設置されている。放送ジャンパ受栓は、関西地区特有のタイフォンとテールライトの間に移設されている。タイフォンカバーは国鉄新潟地区特有の竹槍状のカバーである。テールライトは原形の内ばめ式のままである。
側面はほぼ原形であるが、新潟タイプの運転席側窓バランサー点検蓋が後年開けられているほか、乗降扉下隅に後期車同様丸窓が設けられている。
屋根上は標準的な冷房車の形態であるが、水タンクは新潟地区標準の平らなものに交換されている。
床下もほぼ原形のままであるが、単線用スノープロウを取り付けている。


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