キハ58 254




四国最後の普通列車用キハ58系として活躍したうちの1両。

1963年1月11日新潟鉄工製の4次車で、昭和37年度民有で高松機関区へ配置された。同一ロットでは255が同じく高松へ配置された。高松では1969年度に冷房化改造されたもの思われる。四国島内の急行列車で使用された。国鉄末期の「61-11改正」時に、キハ185系投入による急行の特急格上げで余剰となるが、高知の経年の古いキハ55を置き換えるため1986年11月1日付で高知機関区へ移動、土讃本線の普通列車等で使用された。1989年2月10日には四国色に変更された。高知では終始普通列車に使用され、1990年12月28日付で近郊型へ改造された。最後は2006年の1500形増備による車両転配により余剰となり、2006年9月30日付で廃車となった。

外観は、鋼体自体は原型をよく保っているが、四国特有の改造により、原型からは随分雰囲気が変わっている。
前面は、四国タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが運転席窓下の手すりは手を加えられていない、四国標準の形態。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は、後期車と同じタイプに改造されている。タイフォンカバーは、原形のスリット状のままである。正面窓上の雨どいが撤去されているが、通風口は残っている。
屋根上は通風器が2つのみ断面五角形の箱型ベンチレーターに交換されている。近郊化改造時に便所が撤去されているので、併せて屋根上の水タンクも撤去され、キハ28のような状態になっている。
側面は便洗面所が撤去された際に、臭気抜き窓が撤去されている。便洗面所窓ガラスも透明のものに交換されている。汚物処理タンクが設置されていた名残で、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。運転席側窓バランサー点検蓋は、四国標準の、台枠に近い部分に横長の開口部が設けられている。乗降扉の点検蓋は、後期車と同じ横長のものに改造されており、四国の標準形態であった。
床下では、機関は原型のDMH17Hエンジンを装備しているが、2位側の機関予熱器は撤去されている。また循環式汚物処理タンクを装備していたが、便所撤去の際に当然撤去されている。
妻面は、四国近郊型特有の、仕切り扉付き。その関係でデッキにあった加工窓は埋められている。これは、デッキ撤去に伴い、車内外を仕切る扉が無くなったための代替措置であった。


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