キハ58 269



1963年2月22日富士重工製の4次車で、昭和37年度民有で秋田機関区へ配置された。同一ロット268〜270のうち、268・269が秋田配置であった。秋田では奥羽本線系統の幹線急行で使用開始した。その後も長く秋田で活躍し、1973年には青森から移管された急行「しらゆき」が一部冷房化されることになり、当車は1973〜1974年に冷房化された。その後は主に急行「しらゆき」等の幹線急行の指定席車で使用された。「57-11改正」で急行「しらゆき」「おが」は軒並み廃止されるが、当車は引き続き秋田で急行「むつ」等に使用された。「60-3改正」で盛岡担当の急行「陸中」が冷房化されることになり、1985年3月14日付で盛岡へ転出した。そしてそのままJR東日本に継承された。JR化後も引き続き急行「陸中」をはじめ普通列車で使用され、1987年7月には「盛岡色」へ変更された。しかし1990年以降急行「陸中」はキハ110系化され余剰となり、当車は活用されないまま1992年12月1日付で廃車となった。

前面は、国鉄時代の秋田配置時に前面補強されている。正面窓上の通風口は、助手席側のみ撤去され、JR東日本の標準形態である。ワイパーはWP50に改造されているが、正面窓下の手すり位置は原形のままで、秋田地区標準の形態である。テールライトは外ばめ式に改造されている。タイフォンカバーは、シャッター式に改造されている。放送用ジャンパ線受は、秋田地区標準位置の、テールライト左下付近へ移設されている。制御用ジャンパ受栓の位置は、左右離れた位置へ移設されている。当車は標識灯掛けフックの位置がタイフォンの内側付近へ移設されており、大変珍しい。
側面はほぼ原形であるが、汚物処理装置取り付け工事がなされた際に便所付近に点検蓋が設置されている。
屋根上は、標準的な冷房車の形態で特筆すべき点はない。
床下では、後位側に汚物処理装置が設置されている。また単線型スノープロウを装備している。


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