キハ58 289 → キハ58 5503




1963年4月6日新潟鉄工製の4次車で、昭和37年度第1次債務で広島機関区へ配置された。同一ロット287〜290のうち、288〜290が広島へ配置されている。広島では主に九州直通急行「青島」で使用され、1973年頃に冷房化された。1975年の山陽新幹線博多開業で急行「青島」は廃止されたが、その後は芸備線急行で主に使用された。1983年3月には七尾との間で汚物処理装置に関係する車両交換が行われ、当車は1983年3月12日付で兄弟の290と共に七尾へ転出した。七尾では急行「能登路」や七尾線の普通列車で使用され、そのままJR西日本に継承された。JR化後は主に急行に使用され、1990年3月5日付で「七尾急行色」へ変更された。しかし1991年7月には七尾線和倉電化、七尾以遠の第三セクター化により余剰となり、播但線の客車列車置き換えに活用されることになり、1991年12月27日付でロングシート化の上キハ58 5503へ改造された。その後は姫新線・播但線の普通列車で使用され、1994年1月27日に「姫路色」へ変更された。しかしながら、需要の旺盛な播但線は電化されることになり、1998年3月14日ダイヤ改正で電化のため姫路のキハ58系は全て余剰となった。そして当車は1999年3月31日付で廃車となった。

外観は金沢局時代の形態を色濃く残している。
前面は、広島時代に前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが撤去されており、金沢標準の形態である。タイフォンはスリット式のままである。テールライトは、内ばめ式のままである。制御用KE53ジャンパ受栓は離れた位置に設置されている。放送用ジャンパ受栓は、特殊な形状のステップ一体型となっている。正面窓上の水切りは撤去されており、また助手席側の通風口のみが撤去されているのがJR西日本では珍しい。
側面では、前面窓から延びる水切りが撤去されている。運転席側バランサー点検蓋は追設されており、金沢局に多く見られる上下2箇所開口となっている。当車は乗降扉下部隅に丸窓が残っている。
屋根上は、通風器は冷房車標準の押し込み型である。また水タンクは金沢時代に平らな形状のものに交換されている。
床下は、ほぼ原型である。


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