キハ58 292



1963年4月18日新潟鉄工製の4次車で、昭和37年度第1次債務で広島機関区へ配置された。同一ロット291・292両車が広島へ配置されている。広島では主に九州直通急行「青島」で使用され、1971年には冷房化されている。1975年には山陽新幹線開業で急行「青島」は廃止されるが、引き続き広島運転所に残留し主に芸備線系統の急行に使用された。1983年2月には岩国・亀山・向日町・広島の間で主に汚物処理装置装備車を有効活用する転配が行われ、これにより当車は1983年2月16日付で岩国へ転出した。岩国でも引き続き急行「ちどり」で活躍したが、「59-2改正」で岩国機関区が廃止となり、当車は1984年2月1日付で小郡へ転出し、急行「さんべ」「ながと」で使用されるようになり、そのままJR西日本へ継承された。JR化後の小郡では塗装を変えながら急行に使用され、1992年2月21日付で緑ベースの広島急行色Uに変更された。その後1997年には急行「さんべ」が廃止され、当車を含む急行用車は黄色ベースの「広島普通色」へ変更され普通列車で使用された。途中1995年10月1日には組織改正で山口鉄道部となったが運用は変わらない。しかし1990年代後半降各地からキハ40系が転入し、当車は老朽化のため1999年2月9日付で廃車となった。

前面は、前面補強が施工されているが、小倉もしくは幡生施工と思われる。ワイパーは強化型のWP50へ改造されており、それに伴い運転室窓下の手すりが左右に2本分かれた大変珍しい形態である。すなわちワイパーの貫通扉寄りには関西・山陰地区のような小手すりが取り付けられ、更にワイパーの外側にも極小の手すりが設けられている。この形態は292と649の2両のみである。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は、タイフォンの左右に設置されている。放送ジャンパ受栓は、ステップ一体型となっている。タイフォンカバーは、原形のスリット状のままである。正面窓上の通風口・雨どいは原形のままである。
屋根上は、通風器が全て断面5角形のは小型ベンチレーターに交換されている。その他は標準的な冷房車の形態である。
側面は、広島地区の特徴として側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。
床下は、ほぼ原形である。


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