キハ58 297



1963年4月13日日本車輌製の4次車で、昭和37年度第1次債務で広島運転所へ配置された。同一ロット293〜297では当車のみ広島へ配置されている。広島では主に九州直通急行「青島」で使用され、1972年頃に冷房化されている。1975年には山陽新幹線開業で急行「青島」は廃止されるが、引き続き広島運転所に残留し主に芸備線系統の急行に使用された。1982年度には車両交換で岩国へ転属したが、1983年4月1日付で広島へ戻っている。その後国鉄末期の「60-3改正」では「ちどり」が大幅削減され余剰となり、1985年2月26日付で高松へ転出した。高松では汚物処理装置を装備していないことから元高知区のキハ55に代わり土讃本線の普通列車で主に活躍した。しかし国鉄最後の「61-11改正」でキハ185系投入による特急格上げによりキハ58系に大量の余剰が発生し、汚物処理装置付きのキハ58が捻出されたことから当車はJRへ継承されず、1987年2月10日付で廃車された。

前面は、広島時代に前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されており、運転室窓下の手すりが若干位置が下がっている。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は、タイフォンの下部で左右離れた位置に設置されている。放送ジャンパ受栓は、広島地区特有のタイフォン上部に移設されている。タイフォンカバーは、原形のスリット状のままである。テールライトは原形の内ばめ式のままである。
側面はおおむね原形であるが、広島地区の特徴として側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。また運転室窓のバランサー点検蓋が追設されている。
屋根上は標準的な冷房車の形態で特筆すべき点は無い。
床下も、ほぼ原形である。


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