キハ58 301



四国最後の普通列車用キハ58系として活躍したうちの1両。

1963年3月2日富士重工製の4次車で、昭和37年度利用債で高松機関区へ配置された。同一ロット301・302両車とも高松へ配置された。高松では1969年度に冷房化改造されたもの思われる。四国島内の急行列車で使用された。国鉄末期の「61-11改正」時に、キハ185系投入による急行の特急格上げで余剰となるが、徳島の経年の古いキハ20系を置き換えるため1987年9月30日付で徳島運転所へ移動、高徳本線・徳島本線・牟岐線等の普通列車等で使用された。1989年4月18日には四国色に変更された。徳島では終始普通列車に使用され、1990年10月26日付で近郊型へ改造された。1996年度に徳島では1000系の増備により近郊形キハ58は余剰となるが、松山に残存していた原形車内のキハ58と交換が行われ、当車は1997年2月7日付で松山へ移動し、代わりに松山の212が徳島へ移動した。最後は2007年の1500形増備による車両転配により余剰となり、2008年3月31日付で廃車となった。

前面は、四国タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが運転席窓下の手すりは手を加えられていない、四国標準の形態。制御用KE53ジャンパ受栓の位置等も、四国標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、当初四国若番車標準の、助手席側タイフォン右上に、足掛けと一体化した栓受を使用している。タイフォンカバーは、原形のスリット状のままである。正面窓上の通風口と雨どいが撤去されており、晩年の四国地区の標準スタイルである。また、国鉄時代にスカートの取り付けが行われており、正面貫通扉下部付近に、取付用のボルトがある。
側面は便洗面所が撤去された際に、臭気抜き窓が撤去されている。便洗面所窓ガラスも透明のものに交換されている。汚物処理タンクが設置されていた名残で、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。運転席側窓バランサー点検蓋は、四国標準の、台枠に近い部分に横長の開口部が設けられている。乗降扉の点検蓋は、後期車と同じ横長のものに改造されており、四国の標準形態であった。
屋根上は通風器がすべて撤去されているのは2000年以降の四国共通の標準仕様である。近郊化改造時に便所が撤去されているので、併せて屋根上の水タンクも撤去され、キハ28のような状態になっている。
床下では、運転台側にスカートが設置されており、大きな特徴。機関は原形のDMH17Hエンジンを装備しているが、2位側の機関予熱器は撤去されている。また循環式汚物処理タンクを装備していたが、便所撤去の際に当然撤去されている。
妻面は、四国近郊型特有の、仕切り扉付き。その関係でデッキにあった加工窓は埋められている。これは、デッキ撤去に伴い、車内外を仕切る扉が無くなったための代替措置であった。


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