キハ58 444



1963年8月21日日本車輌製の5-2次車で、昭和38年度本予算で松本運転区に新製配置された。同一ロット441〜444のうち、443・444が松本へ配置された。中央東線では2エンジン車による長大編成を組むことから早くから大量のキハ58型が投入されていたが、400番台の長大編成対応車が一挙に投入されると、それまで配置されていた0番台は各地に散るという同形式置き換えが早くから行われていた。中央東線ではもちろん急行「アルプス」をはじめとして、各支線区へ乗り入れる急行運用に使用された。しかし、1965年5月20日には中央東線全線電化が完成し、早くも大量のキハ58が余剰となってしまった。この際当車は名古屋へ転出することになり、1965年度中に移動した。名古屋では急行「きそ」「紀州」「大社」「のりくら」等、広範囲にわたって運用された。そして名古屋にて1970年代中盤に冷房化された。その後は名古屋担当の急行が次々に廃止されるも、残った急行「のりくら」用として国鉄末期まで活躍し、そのままJR東海へ継承された。JR化後は1989年2月13日付で美濃太田へ転出し予備車として高山本線や太多線で使用されたが、1991年11月20日付で廃車となった。

前面は、名古屋工場タイプの前面補強がされている。ワイパーは原形のWP35のままで、正面窓下の手すりも原形のままである。タイフォンはシャッター式へ改造されている。テールライトは、外ばめ式に更新されているが、内ばめ時代の取り付け座が残るタイプで、名古屋地区の標準形態である。制御用ジャンパ受栓の位置も、名古屋地区標準の位置である。放送ジャンパは、ステップ下部に台座付きで設置されている。
側面では、乗降扉戸袋部の点検蓋が後期車同様の横長の大型のものになっており、名古屋の特徴である。
屋根上は標準的な冷房車の形態で、特筆すべき点はない。
床下はほぼ原形である。


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