キハ58 577



1964年12月25日帝国車両製の6-3次車で、昭和39年度本予算で高松へ配置された。同一ロット577〜579のうち、当車のみ高松へ配置された。高松では四国全域の急行で長く使用され、1968年3月19日に早くも簡易冷房車へ改造され、その後1970年5月19日に量産冷房車化改造されている。国鉄末期の急行の減車によりキハ58系は余剰気味となっていたが、波動用車両にアコモ改造を施すことが流行り始めた頃であり、1984年3月7日付で車内が0系新幹線発生品の転換クロスシートに改造され、塗装も青い波模様の新塗装へ変更された。改造後は団体用・波動用の他急行列車でも使用され、そのままJR四国へ継承された。JR化後も引き続き同じ用途で使用されたが、1988年に「レインボー」が登場すると転換クロスシートの当車は見劣りがすることから波動用・団体用としての活躍はほとんどなくなった。その後は1988年11月20日に「四国色」へ変更され、他車との見分けもつかなくなり一般車同様に急行で活躍した。1989年7月ダイヤ改正ではキハ185系の増備により急行の特急格上げが進み、当車は1989年9月27日付で徳島へ転属した。しかし特殊な内装であることから徳島での活躍は短く、1990年11月ダイヤ改正で急行「阿波」が全廃されると用途を失い、1991年3月31日付で廃車となった。

前面は、四国タイプの前面補強が施工されているが、正面手すりの切り欠き位置がかなり下であり、特異な存在であった。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが運転席窓下の手すりは手を加えられていない、四国標準の形態である。制御用KE53ジャンパ受栓の位置等も、四国標準の形態である。放送用ジャンパ受栓は、新製時からのステップ一体型となっている。タイフォンカバーは、スリット状に改造されている。暖地仕様であり、デフロスタは装備しない。
側面は汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋が設けられている。乗降扉の点検蓋は、後期車と同じ横長のものに改造されており、四国の標準形態である。また四国共通の改造で、乗降扉隅の丸窓が撤去され完全になくなっている。
屋根上は、冷房改造車標準の形態で特筆すべき点はない。
床下は、後位側に汚物処理装置が設置されている。また団体用に改造された際にカラオケ装置等が設置された関係から、助手席側床下にこれらの電源用インバーターの箱が設けられている。


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