キハ58 605 → キハ58 5003




1965年2月18日帝国車両製の6-3次車で、昭和39年度早期債務で大分機関区へ配置された。同ロットは当車1両のみである。大分では急行「由布」「火の山」等久大本線・豊肥本線急行で活躍し、1970年6月には冷房化された。国鉄末期まで大分で急行用として活躍し、「60-3改正」よりグレードアップ指定席車として使用されることとなり、1985年3月4日付でアコモ改造の上「キハ58 5003」へ改番された。そしてそのままJR九州へ継承された。JR化後も引き続き急行「由布」「火の山」で活躍し、1989年10月3日付で九州急行色へ塗装変更された。1989年3月改正より一部の急行「由布」運用が竹下へ移管されたが、当車は引き続き大分で使用された。1992年7月15日のダイヤ改正では急行「由布」「火の山」が特急に格上げされることになり、これに先立ち1992年6月4日付で「シーサイドライナー」色へ変更された。そしてダイヤ改正当日の1992年7月15日付で長崎へ転出、快速「シーサイドライナー」を中心に、長崎本線・大村線の快速・普通列車で使用開始した。しかしながら1997年には香椎線へのキハ200系投入による転配・老朽車両の整理及びシーサイドライナーの編成見直しにより余剰となり、1997年8月6日付けで廃車となった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが、運転席窓下の手すり位置は変わっていない。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は、九州標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、JR九州化後の小倉工場標準である、助手席側テールライトの右へ移設されている。タイフォンカバーは、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。正面窓上の雨どいや通風口は原型のまま残っている。
屋根上は排気口が屋根より若干飛び出しており、九州標準の形態である。水タンクは原型である。クーラーは銀色に塗装され、それ以外は車体と同じ濃紺で塗装されている。
側面はおおむね原型である。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。初期のシーサイドライナー塗装車は、床下機器がほぼ黒色となっている。


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