キハ58 606




1965年2月27日帝国車両製の6-3次車で、昭和39年度早期債務で大分機関区へ配置された仲間の1両。同一ロットでは606〜609が同日に大分へ配置されている。大分では急行「由布」「火の山」等久大本線・豊肥本線急行で活躍し、キハ58系では比較的初期の1969年度に冷房化された。国鉄末期まで大分で急行用として活躍し、そのままJRに継承された。国鉄末期からJR化初期には急行のグレードアップが図られたが、当車はその対象から外れ、原型シートのまま1988年12月14日付けで九州色化され、普通列車専属となってしまった。その後も引き続き豊肥本線・久大本線の普通列車で使用されたが、1997年11月29日のダイヤ改正で香椎線にキハ200系が投入され、その関係でキハ40系が鹿児島へ転出し、玉突きで状態の良いキハ58系が鹿児島から大分へ転入し、当車は入れ替わりで余剰となり、1998年3月26日付で廃車となった。当車は新製から廃車まで大分を離れなかった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが若干下に移動しているのは九州では標準形。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等も、九州標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、JR九州化後の小倉工場標準である、助手席側テールライトの右へ移設されている。タイフォンカバーは、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。また、大分時代特有の「タウンシャトル」の逆台形状のヘッドマーク受けが取り付けられている。
屋根上は通風器がすべて撤去されているのは九州共通の標準仕様である。また排気口が屋根より若干飛び出しているのも九州標準。水タンクは原型である。
側面はおおむね原型である。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。機関は原型のDMH17Hエンジンを装備しているが、機関予熱器は撤去されている。


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