キハ58 607



1965年2月27日帝国車両製の6-3次車で、昭和39年度早期債務で大分機関区へ配置された仲間の1両。同一ロットでは606〜609が同日に大分へ配置されている。大分では急行「由布」「火の山」等久大本線・豊肥本線急行で活躍し、1970年度に冷房化された。国鉄末期まで大分で急行用として活躍し、そのままJRに継承された。国鉄末期からJR化初期には急行のグレードアップが図られたが、当車はその末期の1988年10月18日付でリクライニングシート化され、1989年10月18日付で九州急行色化された。室内改造されず、九州色に塗り替えられローカル用になった兄弟の606と対照的であった。その後は「由布」「火の山」で活躍したが、1992年7月にキハ185系特急化されることになり、当車は急行「えびの」用に7月15日付で直方気動車区へ転出するが、1993年3月18日には熊本へ移動する。引き続き急行「えびの」「くまがわ」で使用され、1993年頃に「えびの」塗装に変更された。しかし「くまがわ」へのアクアエクスプレスの投入や、減車により余剰となり、他の一部仲間はシーサイドライナー用に長崎へ転出する中、当車は1996年12月12日付で廃車となった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが若干下に移動しているのは九州では標準形。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は九州標準化から外れ、KE53はタイフォンの左右に配置され、また運転席側ステップも現存している。放送用ジャンパ受栓は、JR九州化後の小倉工場標準である、助手席側テールライトの右へ移設されている。タイフォンカバーは、運転席側のみ、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。助手席側は一般的なスリットカバーである。また、「えびの」「くまがわ」用のヘッドマーク掛けが貫通扉に設置されている。
屋根上は排気口が屋根より若干飛び出している。水タンクは原型である。
側面はおおむね原型であるが、乗降扉下部の丸窓は撤去され存在しない。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。機関は原型のDMH17Hエンジンを装備しているが、機関予熱器は撤去されている。「えびの」塗装車は、床下機器が黒色で塗装されている。


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