キハ58 611



1965年2月5日富士重工製の6-3次車で、昭和39年度早期債務で山形機関区へ配置された仲間の1両。同一ロット611〜613では611・612が山形へ配置されている。山形では急行「ざおう」「出羽」等、東北本線から奥羽本線へ入る幹線急行をメインに、陸羽東線や米坂線の支線急行で使用された。「57-11改正」で急行が大削減された後は、非冷房車である当車はキハ55系の置き換えとして奥羽本線や陸羽東線の普通列車で使用され、そのままJR東日本に継承された。兄弟の612が「57-11改正」で遠く熊本へ渡り、JRに継承されず廃車となったのとは対照的である。JR化後は、1989年10月に機関がコマツ製DMF11HZへ換装され1992年頃に東北地域本社色に変更された。その間、1991年3月16日付で、山形運転区が山形新幹線開業準備の関係で廃止されるのに伴い、当車は新庄運転区へ転出したが運用実態は同じであった。晩年は快速「月山」の山形〜新庄間増結運用や奥羽本線の普通列車で使用されたが、1996年に検査期限が切れることから会津若松から732が転入し、当車は入れ替わりで1996年11月5日付で廃車となった。新製から廃車まで山形地区を離れなかった。

外観は、塗装以外は原型をよく保っている。
前面は、助手席側正面窓上の通風口が撤去されており、晩年のJR東日本の標準スタイルである。前面補強は施工されていない。ワイパーは強化型のWP50に更新されているが、手すりの位置は変わっておらず、土崎工場の標準スタイルである。タイフォンカバーは新製時からのシャッター付である。テールライトは後期車のように外ばめ式に改造されており、山形の特徴である。放送用ジャンパ受栓は土崎標準の、テールライトの外側付近へ移設されている。デフロスタは、運転席側のみに付いている。制御用KE53ジャンパ栓納めは寒冷地用のヒーター付きに交換されており、またその取り付け位置も低い。
側面は乗降ドア下部の丸窓が撤去されている。また、機関換装時に給水口が埋められている。それ以外は原形を保っている。
屋根上は、ほぼ原形のままである。
床下では、機関はコマツ製DMF11HZへ換装されており、同時に機関予熱器が撤去されている。油タンクは角型のものに交換されている。スノープロウは複線型を装備する。


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