キハ58 613



急行「くまがわ」用として最後まで活躍したうちの1両。

1965年2月5日富士重工製の6-3次車で、昭和39年度早期債務で大分機関区へ配置された仲間の1両。同一ロット611〜613では当車のみが大分へ配置されている。大分では急行「由布」「火の山」等久大本線・豊肥本線急行で活躍したが、新製後まもなくの1966年度には、急行「えびの」用として熊本にキハ58を配置することとなり、大分より熊本へ転出した。その後は長く急行「えびの」用として使用されるが、1978年10月に徳島よりキハ58 57・58が熊本へ転入し、当車は押し出されるように1978年10月21日付で人吉へ転出、急行「くまがわ」で使用されるようになった。「くまがわ」時代も長く続き、国鉄末期の1986年10月27日には指定席用としてリクライニングシート化されたが、番号はそのままであった。このままJR九州へ継承された。JR化後は、人吉運転区が廃止され熊本に統合されることから、1987年度末に熊本へ転出。以後「えびの」「くまがわ」共通で使用された。1989年7月31日には九州急行色へ塗装変更されるが、1993年には新たに制定された青色ベースの急行「えびの」「くまがわ」色へ変更された。2000年の急行「えびの」廃止後も残り、2001年2月9日には汚物処理装置取付が行われ、引き続き急行「くまがわ」で使用されるが、2004年3月13日のダイヤ改正で急行「くまがわ」が特急に格上げされることになり、用途を失う。そして2004年6月25日付で廃車となった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーはWP35のままであり、運転席窓下の手すりは原型である。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は、九州標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、原型のステップ一体型のものである。タイフォンカバーは、原型のスリット状を装備するのが九州では珍しい。正面窓上の雨どいが撤去されており、鹿児島地区の標準スタイルである。急行「えびの」「くまがわ」用のフック式のヘッドマークステイが貫通扉に取り付けられている。
屋根上は通風器がすべて撤去されているのは九州共通の標準仕様である。また排気口が屋根より若干飛び出しているのも九州標準。水タンクは原型である。屋根上は全て車体色と同色の青で塗装されている。
側面はおおむね原型であるが、汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。400番台以降の乗降扉下部の丸窓は、埋められており存在しない。運転室側窓のバランサー点検蓋は、新製時よりのものを装備している。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。機関は原型のDMH17Hエンジンを装備しているが、機関予熱器は撤去されている。また循環式汚物処理タンクを装備している。当該塗装の車両は、床下機器が黒色で塗装されている。


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