キハ58 648



JR西日本最後のキハ58系急行として活躍した車両の1両。

1965年5月14日富士重工製の6-4次車で、昭和39年度第3次債務で広島運転所に新製配置された。同ロットの646〜648の3両のうち、646は釧路経由で浜田に配置され、647と648が広島に配置された。広島では主に九州直通急行「青島」で使用され、幹線急行であることから比較的早期の1969年に冷房化された。1975年には山陽新幹線開業で急行「青島」は廃止されるが、引き続き広島運転所に残留し主に芸備線系統の急行に使用された。そのままJRに継承され、引き続き芸備線の「ちどり・みよし・たいしゃく」で色を変えながら使用された。まず1991年12月21日付緑ベースの広島急行色Uに、そして1997年頃に現行の広島急行色Vに変更された。芸備線急行は2000年代にかけ整理され、2002年3月23日には運用数減少で山口鉄道部へ転出し、同区の老朽キハ58と交代した。しかし翌2003年3月15日には645との間で車両交換が行われ、当車は広島へ戻った。そして2007年7月1日の急行廃止で保留車となり、2007年11月9日付で廃車となった。

外観的には、後年の広島地区特有の改造を受け、個性を増している。
前面は、前面補強は国鉄時代の幡生施工で、左右両側にWP50用の切り欠きがある。制御ジャンパ受栓は、初期冷改車の位置にある。放送ジャンパ受栓は、関西地区特有の位置に移設されている。タイフォンカバーは当初からシャッター付きで落成しており、そのまま最後までシャッター付きであった。テールライトは内ばめ式のままである。ワイパーは強化型のWP50へ更新されているが、運転席窓下の手すり位置は原形のままで、関西からの転入組との区別は容易であった。
側面では、乗降ドア隅の丸穴が完全になくなっている。その他は概ね原型を保っているが、広島地区の特徴として側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。また、汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。
屋根上はすべての通風器が交換され、断面五角形の箱型通風器となっている。これはJR西日本では広島支社に多い特徴である。水タンクは、原形のままである。
床下機器は2000年代以降の幡生工場標準の、グレー台車になっている。油タンクは原形のままである。後位側では、汚物処理タンクが設置されている。


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