キハ58 650 → キロ59 509 → キハ58 650



ジョイフルトレイン「Kenji」としてJRで最後まで営業運転を行ったキハ58形。

1965年6月18日富士重工製の6-4次車で、昭和39年度第3次債務で千葉気動車区へ配置された。同一ロット649〜651では650・651が千葉へ配置されている。千葉は夏季海水浴輸送の仮配置であり、夏季輸送終了後9月11日付で本来の配置区である浜田機関区へ兄弟の651とともに異動した。浜田では急行「だいせん」等の急行列車に使用された。1970年代中〜後半、浜田時代に冷房化されたものと思われる。当車はキハ58系急行「だいせん」の末期まで山陰地区に在籍し、浜田機関区が米子機関区へ統合・廃止される1985年3月14日付で米子へ転出。その後1986年11月改正で福知山線電化により「だいせん」が廃止されるのに伴い余剰になり、新潟地区の若番冷房車を置き換える目的で10月31日付で新潟運転所へ転出した。しかし新潟での活躍も束の間、新設されるジョイフルトレイン「サロンエクスプレスアルカディア」の種車となり、形式もキロ59 509となり国鉄最末期の1987年3月25日に出場した。「アルカディア」は登場からわずか1年後の1988年3月に上越線で火災事故を起こし、相方のキロ59 508が廃車となり、火災を免れた当車はキロ29 505と共に一旦保留車となる。1992年には盛岡地区でのジョイフルトレインとして再活用することになり、1992年3月11日付で旧番号に復したうえで「Kenji」として出場し、盛岡客車区へ配置された。この際に機関がコマツ製のDMF11HZへ換装されたが、車体更新はされなかった。2005年3月25日には塗装が全面緑色+金帯へ変更となり、たびたびラッピング等も施された。2013年12月には水色+金帯へ再度変更され、その後盛岡名物「わんこきょうだい」のイラストを纏い活躍した。車齢は50年を超え、いつまで活躍するか注目されていたが2018年度で運用を停止し、2018年9月26日付で廃車となった。

「サロンエクスプレスアルカディア」へ改造された際に、「アルコン」に酷似したハイデッカー先頭部へ改造され、前面に種車の面影はない。後位側は一部の窓が埋められ、窓自体も固定化されている以外は比較的原形を保っている。
屋根上はすべての通風機が撤去されており、また展望室側は集中式クーラーが設置されるなど、大幅に改造されている。またNTTドコモの衛星電話アンテナが設置されている。
床下では、エンジンがコマツ製DMF11HZへ交換済み、その際に機関予熱器は撤去されている。油タンクは角型のものへ交換済み。便所側は循環式汚物処理タンクを装備している。


JR線では営業に就く最後のキハ58系(キハ71系を除く)で、今後いつまで活躍するのか注目である。


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