キハ58 654



1965年6月30日富士重工製の6-5次車で、昭和39年度第3次債務で高松機関区へ配置された。同一ロットでは当車のみが高松へ配置されている。高松では1970年6月に冷房化改造され、四国島内の急行列車で使用された。国鉄時代晩年の「55-10改正」で四国急行の減車が行われ、この際に当車は車齢の高い徳島のキハ58を捻出すべく、1980年10月1日付で徳島へ転出した。なおこの際に捻出された徳島の若番車は水戸と七尾へ転出し、更に非冷房車やキハ55系を捻出する転配が行われている。徳島移動後は急行「阿波」「むろと」等の徳島地区の急行で使用され、そのままJR四国へ継承された。JR化後は内装も原型のままで引き続き急行に使用され、1989年3月30日には四国色へ変更された。「阿波」「むろと」廃止後は急行「よしの川」で使用されたが、1996年に急行「剣山」が登場し「よしの川」が1往復になった際に余剰となり、1998年3月31日付で廃車となった。

前面は、四国タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが運転席窓下の手すりは手を加えられていない、四国標準の形態。制御用KE53ジャンパ受栓の位置等も、四国標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、新製時よりステップ一体型となっているが、位置が高い。そしてオリジナルの位置にステップが追加されている。タイフォンカバーは、原形のスリット状のままである。
屋根上は冷房化以降手が加えられていない。
側面はほぼ原型である。汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。運転席側窓バランサー点検蓋は、新製時のままである。
床下は、汚物処理装置が設置されている以外はほぼ原型である。なお台車は1990年代後半よりグレーに塗装されている。


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