キハ58 700



真っ赤な塗装に身を包んだ、唯一のハウステンボス塗装のキハ58。

1965年10月4日日本車両製の6-5次車で、昭和40年度1次民有で熊本機関区へ配置された。同一ロット700〜704全車が熊本へ配置されている。熊本では初のキハ58系配置となり、次ロットを含む700〜706が一気に新製配置され、更に他区からの転入車も加わった。熊本ではキハ55系に代わり急行「えびの」で使用開始した。肥薩線急行は急勾配で、長らく非冷房車のままであったが、1972年11月に竹下よりキハ65が転入すると一気に冷房化され、当車も1972年度中に冷房化された。長らく運用に変化はなかったが、国鉄末期になると短編成化が進み、当車は1985年以降余剰気味となりイベント用に改造されることになった。当車は1986年1月13日付で481系発生品の回転クロスシート化され、塗装も白に黄緑色の帯となり、愛称も「サウンドエクスプレスひのくに」として、団体臨時列車や、1両単位での他列車への併結で使用された。そのままJR九州へ継承された。JR化後の九州では急行のアコモ改造や、他のジョイフルトレインの拡充により持て余し気味となっていたが、長崎地区で「ハウステンボス」開園に伴うダイヤ改正に際し、専用塗装の上快速「シーサイドライナー」及び早岐ーハウステンボス間のシャトル列車に使用開始した。しかしながら1997年には香椎線へのキハ200系投入による転配・老朽車両の整理及びシーサイドライナーの編成見直しにより余剰となり、1998年3月26日付けで廃車となった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが若干下に移動しているのは九州では標準形。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は、九州標準の形態である。放送用ジャンパ受栓は、原型のままのステップ一体型となっている。タイフォンカバーは、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。正面窓上の通風口、雨どいは残ったままである。
屋根上は通風器がすべて撤去されているのは九州共通の標準仕様である。また排気口が屋根より若干飛び出しているのも九州標準。水タンクは原型である。屋根上はクーラー共々濃いグレーで塗装されている。
側面はおおむね原型である。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。その他はほぼ原型であるが床下機器は黒色で塗装されている。


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