キハ58 704



1965年10月4日日本車両製の6-5次車で、昭和40年度1次民有で熊本機関区へ配置された。同一ロット700〜704全車が熊本へ配置されている。熊本では初のキハ58系配置となり、次ロットを含む700〜706が一気に新製配置され、更に他区からの転入車も加わった。熊本ではキハ55系に代わり急行「えびの」で使用開始した。肥薩線急行は急勾配で、長らく非冷房車のままであったが、1972年11月に竹下よりキハ65が転入すると一気に冷房化されるが、当車は新製されたキハ65に捻出される形で非冷房のまま長崎へ転出した。これは兄弟700〜706の中では唯一であった。長崎では非冷房車であることから急行「平戸」を中心に使用されたが、山陽新幹線博多開業の「50-3改正」で九州内の冷房車が転属し、非冷房車は各地へ転出し、当車も1975年3月14日付でキハ55系置き換えのため新潟へ転出した。新潟では急行「赤倉」を始めとして、「いいで」「羽越」「うおの」等で使用された。「57-11改正」後も引き続き磐越西線や米坂線の急行・普通列車で使用され、そのままJRへ継承された。JR化後も用途は変わらず、1990年代前半には「新潟色」に塗装変更され、1990年8月にはカミンズ製DMF14HZ機関へ換装された。磐越西線にはキハ110系が投入されたため主に米坂線で活躍していたが、短編成化・運用減により余剰となり、1997年2月1日付で廃車となった。

前面は、新潟地区標準の前面補強がされている。ワイパーは強化型のWP50に更新され、それに伴い手すりが若干下がっているのは、新潟地区の標準スタイルである。助手席側の通風口が撤去されており、JR東日本の標準形態である。タイフォンカバーは新潟後期タイプの、下半分メッシュ状の筒を被せた形状となっている。テールライトは外ばめ式に改造されている。デフロスタは、新潟地区標準で、左右両側に付いている。
側面では、乗降ドア隅の丸穴は板で塞がれており、JR東日本の標準形態である。乗務員室窓バランサー点検蓋は、原型のままである。機関換装車であるが。車体中央付近の給水口が残存している変形車である。側面ほぼ中央部の窓間下部に、サボ差しが追加されている。
屋根上は、水タンクが新潟地区特有の平べったいものに交換されている。
床下では、エンジンがカミンズ製DMF14HZへ交換済み、その際に機関予熱器は撤去されている。スノープロウは単線用を取り付けている。油タンクは原型のままである。


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