キハ58 713




1966年1月27日日本車両製の第6-5次車で、昭和40年度第1次民有で長野機関区へ配置された。同一ロットの710〜713全車が長野へ配置された。長野では中央西線の急行を中心に使用され、急行「きそ」の他、急行「ちくま」「越後」で大阪・北陸本線周りで新潟まで運用された。しかしキハ181系投入による急行「きそ」の特急格上げが続き、1972年6月28日付で美濃太田へ転出した。美濃太田では急行「のりくら」を中心に高山本線で活躍した。1970年中盤には冷房化されている。国鉄末期には急行「のりくら」は徐々に格上げ・廃止され、「61-11改正」では急行運用は名古屋へ集約されることから1986年10月27日付で名古屋へ転出し、そのままJR東海へ継承された。名古屋では引き続き急行「のりくら」で使用されたが、キハ85系投入による特急格上げ後は引き続き武豊線の普通列車で使用された。1993年にはキハ75系が投入されキハ58系の整理が行われた際に当車は伊勢へ転出し、紀勢本線の普通列車で使用されるようになった。伊勢では長らく紀勢本線の普通列車で使用されたが、キハ75・キハ11の追加増備によるキハ58系全廃計画により2000年2月1日付で廃車となった。

外観は、名古屋時代の形態を色濃く残している。
前面は、名古屋工場タイプの前面補強がされている。ワイパーはWP50へ更新されそれに伴い運転室窓下の手すりが極小のものとなっているのは、名古屋地区の特徴である。タイフォンは当ロットオリジナルのシャッター式のままである。テールライトは、外ばめ式に更新されているが、内ばめ時代の取り付け座が残るタイプで、名古屋地区の標準形態である。制御用ジャンパ受栓の位置も、名古屋地区標準の位置である。放送ジャンパは、名古屋地区標準でステップの下に設置されている。当車の特徴は種別表示幕横の「架線注意」の札で、長野地区固有の、正面窓上小手すりにぶら下がる形態のものを残しており、長野時代の名残であった。
側面では、ほぼ原型であるが、乗降ドア隅の丸穴が板で塞がれている。
屋根上は、冷房化後手を加えられておらず標準的な冷房車の形態である。
床下機器は原型であるが、すべて灰色で塗装されているのは晩年の東海地区の特徴である。


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