キハ58 714 → キハ58 5714 → キハ58 3001




1966年1月31日日本車両製の第6-5次車で、昭和40年度第1次民有で長野機関区へ配置された。同一ロットの714・729〜731全車が長野へ配置された。当ロットは番号が飛んでいるが、同時期には番号とロット・製造時期がまちまちなケースが多々あった。長野では前ロットの710〜713と共に中央西線の急行を中心に使用され、急行「きそ」の他、急行「ちくま」「越後」で大阪・北陸本線周りで新潟まで運用された。しかしキハ181系投入による急行「きそ」の特急格上げが続き、1972年6月28日付で美濃太田へ転出した。美濃太田では急行「のりくら」を中心に高山本線で活躍した。1970年中盤には冷房化されている。国鉄末期には急行「のりくら」は徐々に格上げ・廃止され、「61-11改正」では急行運用は名古屋へ集約されることから1986年10月27日付で名古屋へ転出し、そのままJR東海へ継承された。名古屋では引き続き急行「のりくら」で使用されたが、1989年に急行「かすが」のアコモ改造を行う際に当車が抜擢され、1989年3月8日付で改造の上番号に5000を足し、キハ58 5714となった。この改造は浜松工場で行われており、同工場で気動車を扱うのは大変珍しい。以降は急行色のまま急行「かずが」専属となったが、1991年に快速「みえ」用のパワーアップ車を登場させる際にこれを5000番代にすることとなり、当車は1991年2月2日付でキハ58 3001へ改番され、同時に塗装が快速「みえ」と同じとなった。引き続き一貫して急行「かすが」専属車として使用されたが、1999年の急行「かすが」キハ75化により余剰となり、しばらく波動輸送で使用されたが、2001年9月14日付で廃車となった。

外観は、名古屋時代の形態を色濃く残している。
前面は、名古屋工場タイプの前面補強がされている。ワイパーはWP50へ更新されているが、手すりが原型のままであり名古屋地区では大変珍しい。タイフォンは当ロットオリジナルのシャッター式のままである。テールライトは、外ばめ式に更新されているが、内ばめ時代の取り付け座が残るタイプで、名古屋地区の標準形態である。制御用ジャンパ受栓の位置も、名古屋地区標準の位置である。放送ジャンパは、名古屋地区標準でステップの下に設置されている。当車の特徴は種別表示幕横の「架線注意」の札で、長野地区固有の、正面窓上小手すりにぶら下がる形態のものを片側のみ残しており、長野時代の名残であった。
側面では、ほぼ原形であるが、トイレに循環式汚物処理装置が取り付けられた関係で点検蓋が設置されている。
屋根上は、前位デッキ上の通風器が残っており、しかも押し込み式に交換されており、大変珍しい。この形態は主に長野地区で散見される。また後位側水タンク脇のデッキ通風器は外されているが、開口部に蓋のようなものが飛び出しており名古屋地区のみで見られた特徴である。
床下機器はほぼ原形であるが、すべて灰色で塗装されているのは晩年の東海地区の特徴である。またこの車は後位側に名古屋地区では珍しく循環式汚物処理装置が取付けられている。


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