キハ58 731



1966年1月31日日本車輌製の第6-5次車で、昭和40年度本予算で長野機関区へ配置された。同一ロットの729〜731全車が長野へ配置された。長野では中央西線の急行を中心に使用され、急行「きそ」の他、急行「ちくま」「越後」で大阪・北陸本線周りで新潟まで運用された。そして幹線急行であることから1971年には冷房化された。しかしキハ181系投入による急行「きそ」の特急格上げが続き、1972年6月30日付で美濃太田へ転出した。美濃太田では急行「のりくら」を中心に高山本線で活躍した。国鉄末期には急行「のりくら」は徐々に格上げ・廃止され、「61-11改正」では急行運用は名古屋へ集約されることから1986年11月1日付で名古屋へ転出し、そのままJR東海へ継承された。名古屋では引き続き急行「のりくら」で使用されたが、キハ85系投入による特急格上げ後は、武豊線の朝夕の普通列車や快速「みえ」の増結用で使用された。しかし1994年には快速「みえ」へのキハ75投入で余剰となり、当車は1994年12月15日付で廃車となった。

外観は、名古屋時代と長野時代の形態を色濃く残している。
前面は、名古屋工場タイプの前面補強がされている。ワイパーはWP50へ更新されそれに伴い運転室窓下の手すりが極小のものとなっているのは、名古屋地区の特徴である。タイフォンは当ロットオリジナルのシャッター式のままである。テールライトは、外ばめ式に更新されているが、内ばめ時代の取り付け座が残るタイプで、名古屋地区の標準形態である。制御用ジャンパ受栓の位置も、名古屋地区標準の位置である。放送ジャンパは、名古屋地区標準でステップの下に設置されている。特徴なのは種別表示幕横の「架線注意」の札で、長野地区固有の、正面窓上小手すりにぶら下がる形態のものを残しており、長野時代の名残であった。
側面では、ほぼ原形である。またJRマークはこの時代のJR東海車はオレンジ色のものが貼り付けられている。
屋根上は、前位側デッキ上の通風器が残っている。
床下機器は原形である。


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