キハ58 756



1966年5月2日日本車両製の6-6次車で、昭和40年度第1次債務で大分機関区へ配置された仲間の1両。同一ロット756〜760では756〜757が大分へ配置されている。大分では急行「由布」「火の山」等久大本線・豊肥本線急行で活躍し、1970年6月に冷房化された。国鉄末期まで大分で急行用として活躍し、そのままJRに継承された。国鉄末期からJR化初期には急行のグレードアップが図られたが、当車はその対象から外れ、原型シートのまま1989年3月22日付けで九州色化され、普通列車専属となってしまった。1992年1月18日には長崎との間で車両交換があり、ボックスシートの当車が長崎へ転出し、近郊型の717が大分へ転出した。しかし当車は快速「シーサイドライナー」のアコモ改造に伴い長崎を離れ、1992年7月15日付で鹿児島へ移動した。鹿児島では数少ないボックスシート車で普通列車のほか波動用等で使用されたが、使いづらいことと老朽化のため、1997年11月29日のダイヤ改正で香椎線にキハ200系が投入され、その関係でキハ40系が鹿児島へ転出した際に余剰となり、1998年3月26日付で廃車となった。

前面は、九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造され、それに伴い運転席窓下の手すりが若干下に移動しているのは九州では標準形。ステップの位置や制御用KE53ジャンパ受栓の位置等は、九州標準の形態。放送用ジャンパ受栓は、JR九州化後の小倉工場標準である、助手席側テールライトの右へ移設されている。タイフォンカバーは、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。快速用のフック式のヘッドマークステイが貫通扉に取り付けられている。テールライトは新製時から外ばめ式である。
屋根上は、1990年代中盤に一時期採用された断面5角形の箱型通風器が廃車時まで残存している。また排気口が屋根より若干飛び出しているのも九州標準。水タンクは原型である。
側面はおおむね原型であるが、400番台以降の乗降扉下部の丸窓は、埋められており存在しない。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われている。機関は原型のDMH17Hエンジンを装備している。九州では珍しく、機関予熱器が残置されている。


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