キハ58 816



1963年2月28日帝国車両製の4次車で、昭和37年度利用債で山形機関区に新製配置された。同一ロット816〜819のうち、当車のみ山形へ配置されている。当車は修学旅行用であり、東北本線の修学旅行輸送や波動輸送で使用された。1966年には運用統一の観点から809〜811が配置されている盛岡へ転属した。「ヨンサントオ改正」の東北本線全線電化で東北本線の修学旅行輸送から撤退し、山形へ転属し主に奥羽本線の修学旅行輸送で使用された。しかし電化の進展とともに気動車による修学旅行輸送は減少し次第に一般車に混ざって「ざおう」「出羽」「あさひ」等の急行列車で使用された。1978年以降は塗装も一般の急行色へ変更された。東北新幹線開業に伴う「57-11改正」では急行の削減が行われ、当車を含むキハ58 814〜816は九州へ転属することとなり1982年11月22日付で熊本へ転属した。熊本ではキハ55を置き換え主に豊肥本線の普通列車で活躍した。しかし「60-3改正」で急行の減車が行われると状態の良い冷房車が普通列車にも充当されるようになり、非冷房の当車は1985年7月11日付で廃車となった。

イラストは山形時代の1980年代前半のものである。
前面は、前面補強が施工されていない。ワイパーは山形の800番台では珍しくWP50へ更新されているが正面窓下の手すりは原形のままである。放送用ジャンパ栓納めは後期車に準じたステップ一体型で設置されている。テールライトは外ばめ式に改造されている。タイフォンは回転蓋式のシャッターが取り付けられていたが、山形時代にシャッターが取り外されスリット状カバーが付いている。そのためタイフォン脇の仕上げが直線となっており珍しい。
側面はほぼ原形のままである。便所窓位置が高いのが800番台の特徴である。
屋根上は、原形のままである。
床下はほぼ原形である。山形時代には複線用スノープロウを装備していたが、熊本転属後は取り外されたものと思われる。


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