キハ58 1014




四国最後の普通列車用キハ58系として活躍したうちの1両。

1966年11月14日新潟鉄工製の7-2次車で、昭和41年度本予算で高松機関区へ配置された。同一ロットでは1013が同じく高松へ配置された。高松では1970年度に冷房化された。四国島内の急行列車で使用された。国鉄末期〜JR化後のダイヤ改正で急行列車の削減が続いたが当車は引き続き急行運用に就き、1987年11月22日付けでバケットシート化され、1988年12月23日付けで四国色に変更された。バケットシート化により急行の自由席で使用されたが、1990年の2000系投入によりローカル輸送に使用されることになり、1990年7月24日付けで近郊化改造されると共に、1990年11月21日付で高知へ転出した。高知では終始普通列車に使用され、最後は2006年の1500形増備による車両転配により余剰となり、2008年3月31日付で廃車となった。

外観は、鋼体自体は原型をよく保っているが、四国特有の改造により、原型からは随分雰囲気が変わっている。
前面は、後期車であることから、前面補強未施工のまま一生を終えている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが運転席窓下の手すりは手を加えられていない、四国標準の形態。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は、四国標準に位置に改造されている。タイフォンカバーは、シャッター付からスリット状に改造されている。正面窓上の雨どいが撤去されているが、通風口は残っている。当ロットから標識灯掛けが台座無しになっている筈であるが、新潟鉄工製は従来の台座付のまま落成した。当車もその形態の1両である。
屋根上は断面五角形の箱型ベンチレーターに交換されているが、後位側の1つのみ原型の押込通風器を残している。また、前位側デッキ上には後期車固有の箱型ベンチレーターが残存していた。近郊化改造時に便所が撤去されているので、併せて屋根上の水タンクも撤去され、キハ28のような状態になっている。
側面は便洗面所が撤去された際に、臭気抜き窓が撤去されている。便洗面所窓ガラスも透明のものに交換されているが、後期形の横長のガラスとなっている。汚物処理タンクが設置されていた名残で、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。運転席側窓バランサー点検蓋は、後期車標準の、新製時よりのものを装備している。
床下では、機関は原型のDMH17Hエンジンを装備しているが、2位側の機関予熱器は撤去されている。また循環式汚物処理タンクを装備していたが、便所撤去の際に当然撤去されている。
妻面は、四国近郊型特有の、仕切り扉付き。その関係でデッキにあった加工窓は埋められている。これは、デッキ撤去に伴い、車内外を仕切る扉が無くなったための代替措置であった。


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