キハ58 1017 → キハ58 5006



1966年9月29日日本車両製の7-2次車で、昭和41年度本予算で大分機関区へ配置された。同一ロット1017・1018両者が大分へ配置されている。大分では急行「由布」「火の山」などの豊肥本線・久大本線の横断急行列車をメインに使用され、比較的初期の1969年頃には冷房化されている。そのまま国鉄末期まで大分で急行で使用され、1985年の急行指定席アコモ改造の際に種車に抜擢され、1985年3月29日付でグリーン車発生品のリクライニングシート化され車号もキハ58 5006に変更された。そしてそのままJR九州に継承された。JR化後は1989年7月10日に「九州急行色」へ変更された。引き続き急行の指定席車として活躍したが、1992年には急行「由布」「火の山」はキハ185系で特急化されることとなり、当車は転出を見込んで1992年4月6日付で快速「シーサイドライナー」化された。そしてダイヤ改正後の1992年7月15日付で長崎へ転出した。1994年にはキハ200が投入され一部車両が置き換えられるが当車は引き続き使用され、1997年頃にはキハ200に合わせた、青色ベースの新塗装へ変更された。2000年以降はJR九州では汚物処理装置取付100%化するため、2001年3月5日同装置が取り付けられた。しかし2001年10月6日の筑豊・篠栗線電化によりキハ66・67が長崎へ転入し始め余剰となり、2002年3月22日付で廃車となった。

前面は、小倉工場標準タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは強化型のWP50へ改造されているが、正面窓下の手すりの位置はほとんど変わっていない。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は初期冷房車の位置にあり、またステップは撤去され存在しない等は、九州では変形車である。放送用ジャンパ受栓は、九州標準の、タイフォンの上部へ移設されている。タイフォンカバーは、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。正面窓上の通風口、雨どいは残ったままである。なお当次車からは標識灯掛けフックが台座無しになっているが、当ロットは旧態の台座付きのまま落成している。
屋根上は通風器がすべて撤去されているのは九州共通の標準仕様である。また排気口が屋根より若干飛び出しているのも九州標準。水タンクは原型である。クーラーは灰色であったが、屋根板は車体と同色で塗られている。
側面はおおむね原型であるが、汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。当次車から便所窓が横長の長方形になっている。当車は末期の九州では大変珍しく、乗降ドア隅の丸窓が残ったままであった。
床下では、前位側へスカートの取り付けが行われているのは九州の共通事項。機関は原型のDMH17Hエンジンを装備している。機関予熱器が残っているのが、末期の九州では珍しい。後位側に循環式汚物処理タンクを装備している。


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