キハ58 1106



急行「くまがわ」用として最後まで活躍したうちの1両。

1968年6月24日新潟鉄工製の8-3次車で、昭和42年度第3次債務で鹿児島機関区へ配置された仲間の1両。同一ロット1105〜1108では1105・1106が鹿児島へ配置されている。鹿児島では鹿児島本線・日豊本線の幹線急行や九州南部の急行で使用され、1969年度には冷房化されている。そのため、冷房準備車で活躍したのは1冬のみであった。両線の電化後も支線急行で使用されたが、1980年の鹿児島地区急行の格下げ後は快速「錦江」「大隅」「やたけ」等で使用されたり、日南・肥薩・指宿枕崎線の普通列車で使用されるようになった。そのままJRへ継承された。JR化後は比較的後期車をアコモ改造のうえ急行に充当し、若番車を近郊化しローカル使用する方針から、当車は急行「えびの」「くまがわ」用として1987年度に熊本へ転出した。1989年12月26日には九州急行色へ変更されるがしばらくはボックスシートのまま増結用であったが、1990年3月13日にはリクライニングシート化され本格的に急行に使用された。1993年には新たに制定された青色ベースの急行「えびの」「くまがわ」色へ変更された。2000年の急行「えびの」廃止後も残り、2001年3月29日には汚物処理装置取付が行われ、引き続き急行「くまがわ」で使用されるが、2004年3月13日のダイヤ改正で急行「くまがわ」が特急に格上げされることになり、用途を失う。そして2005年3月1日付で廃車となった。

前面は、モデルチェンジ車であるが九州タイプの前面補強が施工されている。ワイパーは原型のWP35のままで、運転席窓下の手すりも移動していない。運転室側のステップは冷房化で消滅している。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は、2つの間隔の狭い初期タイプ冷改車の形態であった。JR九州化後の鹿児島工場標準である、放送用ジャンパ受栓は助手席側タイフォンとレールライトの間へ移設されている。タイフォンカバーは、原型のスリット状を装備している。急行「えびの」「くまがわ」用のフック式のヘッドマークステイが貫通扉に取り付けられている。
屋根上は通風器がすべて撤去されているのは九州共通の標準仕様である。また排気口が屋根より若干飛び出しているのも九州標準。水タンクは原型である。屋根上は全て車体色と同色の青で塗装されている。
側面はおおむね原型であるが、汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。400番台以降の乗降扉下部の丸窓は、埋められており存在しない。
床下では、機関は原型のDMH17Hエンジンを装備している。九州では珍しく、機関予熱器が残置されている。また循環式汚物処理タンクを装備している。当該塗装の車両は、床下機器が黒色で塗装されている。なお、スカートに取り付けられていたスノープロウは取り外されている。


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