キハ58 1143



1969年1月29日富士重工製の8-4次車で、昭和43年民有債で竹下気動車区へ配置された。同ロットは1両のみで、キハ58の最終ロットであった。当車は前ロットの1142と似たような人生を歩んだ。竹下では新製直後の1969年度に冷房化され、「いなさ・弓張」等長崎本線系統の急行で活躍した。1976年の長崎本線電化やその後の急行から特急への格上げ後も引き続き残留し、北九州地区の普通・快速列車で使用され、そのままJR九州へ継承された。JR化後は主に香椎線・篠栗線の普通列車で使用されたが、1988年8月1日付で直方へ転出し、主に波動用で使用されることになった。そのため1989年度には九州急行色となった。その後は1991年に転入してきた兄弟の1142と共に、九州急行色で波動用や普通列車用として使用された。しかしながら波動輸送の減少やキハ200形の投入によるキハ40系の転用により余剰となり、兄弟の1142と共に1998年3月26日付で廃車となった。

前面は、前面補強が未施工となっている。ワイパーはWP35のままである。制御用KE53ジャンパ受栓の位置は九州標準の位置で、ステップの位置は原形より少し上にある。放送用ジャンパ受栓は、新製時のままである。タイフォンカバーは、助手席側のみ、スリット状ながら、下部の形状が若干異なる、九州タイプを装備する。当車は直方配置であったため1142とは異なり、貫通扉のヘッドマーク掛けは装備しないので、1142との大きな相違点である。
屋根上は、排気口が屋根より若干飛び出している以外、概ね原型である。
側面はおおむね原型であるが、400番台以降の乗降扉下部の丸窓は、埋められており存在しない。タブレットャッチャー台座は撤去されている。
床下では、スカート下部のスノープロウが撤去されている。機関は原型のDMH17Hエンジンを装備しており、機関予熱器は残存している。


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