キハ58 1511



1968年2月14日日本車輌製の8-1次車で、昭和42年度本予算(追加)で秋田運転区へ配置された仲間の1両。同一ロットでは1509〜1511が同日に秋田へ配置されている。秋田では急行「おが」「しらゆき」等で使用された。東北新幹線開業に伴う「57-11改正」で急行廃止により余剰となり、キハ55系置き換えのため1982年12月1日付で盛岡機関区へ転出した。盛岡機関区では花輪線・山田線・釜石線ローカルで使用されるようになるが、1984年の特別保全工事施工時に波動用車に改造されることになり「うみねこ」「むろね」用に転換クロスシートへ改造され、塗装も専用塗装へ変更された。これは1984年7月10日に施工されたが、改番はされていない。転換クロスシート装備時は暖房を撤去していたため、冬季は元のボックスシートに復元されて使用された。1987年2月には塗装が他と同じ盛岡色へ変更され、そのままJR東日本へ継承された。JR化後もしばらくは団体輸送や波動用を中心に使用され、運用の無いときには一般車に混じって使用された。1992年3月には機関がコマツ製DMF11HZへ換装され、前後してこの時期に室内が原型に復旧された。その後は他車と同じく花輪線・山田線を中心に使用されたが、特殊装備車であったのが災いしたのか、モデルチェンジ車で早期の、1996年12月24日に廃車となった。

前面は、助手席側正面窓上の通風口が撤去されており、晩年のJR東日本の標準スタイルである。前面補強はJR化後の土崎工場施工であり、補強鉄板の縁が目立たない。ワイパーは強化型のWP50に更新されているが、正面窓下の手すりは変更されていない、秋田地区標準スタイルである。タイフォンカバーは新製時からのシャッター付である。放送用ジャンパ受栓は盛岡地区標準の、ステップ上部へ移設されている。デフロスタは、モデルチェンジ車は熱線入りガラスのため付いてない。正面窓上の小手すりに、盛岡・函館地区標準の警戒表示板がついている。
屋根上は列車無線アンテナが取り付けられている以外は、冷房準備車の原型のままである。当ロットは屋根上水タンクが平窓車同様の形態である。
側面は、機関換装時に給水口が埋められている。乗降ドア下部の丸穴は撤去されている。当地区では側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。
床下では、機関はコマツ製DMF11HZへ換装されており、同時に機関予熱器が撤去されている。油タンクは角型のものに交換されている。国鉄秋田時代に汚物処理装置が取り付けられている。


キハ58イラストのページへ戻る

キハ58系のページへ戻る

ホームへ戻る