キハ58 1528



JR東日本盛岡地区で末期まで使用されたキハ58形の1両。

1968年5月6日新潟鉄工製の8-2次車で、昭和42年度第二次債務で青森運転所へ配置された仲間の1両。同一ロットでは1528〜1530が同日に青森へ配置されている。青森では急行「しらゆき」等で使用された。1973年には青森運転所が手狭になったことから急行気動車は盛岡・秋田へ転出することとなり、当車は1528〜1530揃って1973年10月1日付で盛岡機関区へ転出し、急行「陸中」「たざわ」等東北北部の幹線急行で使用された。東北新幹線開業に伴う「57-11改正」で急行廃止により余剰となるが、キハ55系置き換えのため花輪線・山田線・釜石線ローカルで使用されるようになった。盛岡配置のままJRへ継承された。盛岡では1988年10月に盛岡色へ変更、1991年5月には車両更新・機関換装が行われ塗装も赤鬼色へ変更された。2000年以降になるとキハ58系自体が珍しい存在となり、当車は2001年9月19日付で国鉄急行色に復元され廃車まで活躍した。最後はキハ130系の水郡線投入による玉突きでキハ110系が盛岡へ転入したことにより、2007年12月2日付けで廃車になった。

更新車であるが原型に忠実な急行色復元が行われ、良好な状態であった。
前面は、他の更新車同様、正面窓上の通風口が埋められている。前面補強はJR化後の土崎工場施工であり、補強鉄板の縁が目立たない。ワイパーは強化型のWP50に更新され、正面窓下の手すり位置が大幅に下がった、盛岡地区標準スタイルである。タイフォンカバーは新製時からのシャッター付である。放送用ジャンパ受栓は盛岡地区標準の、ステップ上部へ移設されている。デフロスタは、モデルチェンジ車は熱線入りガラスのため付いてない。正面窓上の小手すりに、盛岡・函館地区標準の警戒表示板がついている。貫通ドアは新品に交換されており、Hゴムが無くなっている。
屋根上は列車無線アンテナ及び花輪線用の衛星アンテナが取り付けられている以外は、冷房準備車の原型のままである。当ロットは屋根上水タンクが平窓車同様の形態である。
側面は更新車のため乗降ドアが全て交換されており、窓のHゴムやドア下の丸窓・タブレット保護柵用の窪みの無いものとなっている。ドアの靴摺り部は、他の更新車同様ステンレスに交換されている。機関換装時に給水口が埋められている。洗面所が撤去されているため当該箇所の臭気抜き窓が無くなっている。乗降ドアの点検蓋はキハ40系のようなユニット式に更新されている。当地区では側面ほぼ中央部窓下にサボ差しが追設されている。助手席側乗務員ドアと乗降ドアの間にあったタブレット保護板は、更新車にも関わらず残存しているが、原型のものに比べて明らかに小さいものが付いている。汚物処理タンクが設置されているので、便所部側面に点検蓋のようなものが設けられている。
床下では、機関は新潟製DMF13HZへ換装されており、同時に機関予熱器が撤去されている。油タンクは角型のものに交換されている。盛岡時代の1999年9月9日に汚物処理装置が取り付けられている。


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